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育児
2018/09/22

【男性目線の育児#9】妻の母乳育児を夫が全力サポートすることのビジネスパーソン的意義について考えてみた

前回の第8回は『睡眠不足の妻を救うために夫ができる母乳サポートについて』と題して、母乳をあげるステップは複雑だから夫が代行できる部分がたくさんあるよという話と、授乳間隔を一定に維持するタイムマネジメントも夫ができるサポートとして効果大ですよという話を書いてみました。

そして書いている途中、妻の母乳育児を夫が全力サポートすることが、ビジネスパーソンの経験としても非常に有意義だと感じました。というのも、仕事のパートナーの専業領域に畏れを抱きつつも思い切って踏み込んでいく感覚を鍛える経験として、これ以上のものはないと思えたからです。

今回はそんな話を書いてみたいと思います。

 

 

★注意★

育児は人それぞれです。100の家庭があれば100の事情があり、100の育児があって然るべきものです。たった1つのあるべき姿なんて存在しません。人の意見を鵜呑みにするのは危険ですし、逆に安易に強要してよいものでもありません。自らが、家庭環境と子供の状況を見定めたうえで、子供とどう成長していきたいかを考え、これだと思う方法に思い切ってチャレンジしつつもダメそうなら変えていくトライアンドエラーの姿勢が大切だと思います。なのでこの投稿も、鵜呑みにしないでください。

 

まず、母乳をあげるということは、ツーオペ育児において例外中の例外、非常に特別な行為だと感じています。というのも、母乳をあげることだけは女性の専売特許であって、男性にはどんな努力をしようとも、どんな幸運があったとしても物理的に不可能な育児作業だからです。

もちろん、「男性ができないのは直母乳だけであって、搾母乳ならあげられるでしょ」という声はあるかと思います。かくいう我が家でも、妻が搾乳をして私が搾母乳をあげるということは、あるにはあります。やらないわけではないです。

でも実際に育児をやっていると、直母乳の何とも言い難い優越性はぬぐい切れないわけで、我が家の結論としては『なるべく完母に寄せる、なるべく直母乳で育てる』となりました。ちなみに前回の記事ではその『優越性』を、僭越ながら言葉足らずにこんな表現で書いておりました。

  • 赤ちゃんに最大限の愛情を注いでいる実感を持てる。
  • 赤ちゃんに肌を触れ合わせることで、独りではないのだという精神的充足感を持てる。

 

そんなこんなで、『なるべく完母に寄せる、なるべく直母乳で育てる』ようにするための努力として冒頭に紹介した『睡眠不足の妻を救うために夫ができる母乳サポートについて』を書いたわけですが、実際に取り組んでいると、一つ思うことがありました。

 

これ、仕事でのパートナー関係を究極的に捨象した形なんじゃないか・・・、と。

 

というのも、直母乳の件を夫目線で書くと、

  • 自分は、直母乳をあげることは絶対にできない。妻だけができる。
  • 妻は、直母乳をあげること以外にもたくさんの業務があり、日々ギリギリの中で回している。
  • 妻が直母乳をあげることに力を注げるよう、自分は直母乳をあげること以外をなるべく積極的に引き受けるものの、それでも妻の負担過多は否めない。
  • よく見ると、自分にはできないと言って妻に任せていた『直母乳をあげること』の中には雑務が多く存在し、自分が手伝える部分がありそうなことが分かる。
  • 妻に対してリスペクトを払いつつ観察とヒアリングを行い、妻が直母乳をあげることの本質的な作業に専念してパフォーマンスを最大化できるよう、流れを整理しつつ雑務を引き受ける。

という感じになりまして、

 

ここで『直母乳をあげること』を『この業務』、『妻』を『パートナー』に置き換えて、ビジネスパーソン的な目線で考え直してみると、

  • 自分は、この業務は絶対にできない。パートナーだけができる。
  • パートナーは、この業務以外にもたくさんの業務があり、日々ギリギリの中で回している。
  • パートナーこの業務に力を注げるよう、自分はこの業務以外をなるべく積極的に引き受けるものの、それでもパートナーの負担過多は否めない。
  • よく見ると、自分にはできないと言ってパートナーに任せていた『この業務』の中には雑務が多く存在し、自分が手伝える部分がありそうなことが分かる。
  • パートナーに対してリスペクトを払いつつ観察とヒアリングを行い、パートナーこの業務の本質的な作業に専念してパフォーマンスを最大化できるよう、流れを整理しつつ雑務を引き受ける。

となりまして、ひたすら反復する性質も相まって、仕事のパートナーが最高のパフォーマンスを発揮するための黒子に徹する経験として、極上のものになっていると感じられました。相手の専業領域に、畏れを抱きつつも思い切って踏み込んでいく感覚が、ここにはあると感じました。

パートナーがずっとこの業務をこなしてきたからこそ、この今がある。後から入ってきた者は、その事実を以て敬い、畏まる気持ちを一貫して持ち、とはいえ控え目になりすぎたりせず、ここぞというときに思い切った行動を取っていく・・・そんな感じです。

 

日本の男性が育児休業に入るのは平均的には30歳前後だと思いまして、だいたいはビジネスパーソンとしていい経験を積んできて、部分的な仕事というよりも、より全社的な、視座の高い仕事に手を出すようになる時合いだと思うんですよ。

言い換えると、自分とは全く違うキャリアを積んできた、全く違う組織の人間に対して、自分からわざわざ新しい仕事を持ちかけるシーンが求められていると思うのです。

そしてそんな時に大切なのは、畏れであり、思い切りであると、今までの経験からなんとなく感じていたところ、妻の母乳育児を夫が全力サポートする過程に偶然同じ要素を感じ取ることができましたので、機会があったらそんな視点も持ちつつ試してみることを是非オススメしたいです。

 

P.S.雑に踏み込むと爆発するところもビジネスと大変似ていますので、気を付けましょう。苦笑

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ブログ著者について
那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援する人。ネイチャーフォト中心の多言語ブログを書いてます。本業はIT&マーケティング界隈でナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋。半年間の育休明けで、家事育児と外働きのバランスを模索中。