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育児
2021/01/03

【男性目線の育児#24】コロナ禍で激変し続ける2020年の社会と家庭と仕事を振り返ってみた

こんにちは。那須野です。

育休からの復職で駆け抜けた2019年については1年前のブログにて「復職してから1年働いた。年間表彰を受けた。2019年を振り返って2020年の指針を考えてみた」のように振り返っており、悪戦苦闘しながらも比較的ポジティブに見通しをまとめていました。このときは、Covid-19、つまり新型コロナウイルスが、まさか世界中でこんな状況を巻き起こすことになるとは思ってもみなかったわけです。

2020年はコロナ禍という言葉が象徴するように、日本社会がひっくり返るかのように激変しました。今まで常識とされてきたいくつかのことが非常識に変わり、代わりに多くの新しい常識が誕生しました。ニューノーマルなどとはよく言ったものです。そして、社会が激変するということは、2歳の娘を抱える我が家の子育て環境も激変するということであり、またマーケットを相手とする私の仕事も激変するということでした。

つまるところ、2019年をなんとか生き抜いてぼちぼちポジティブな見通しを持って臨んだ2020年は、2019年とは比べ物にならないほどの過酷さで我が家に襲い掛かってきたというのが正直な感想です。何が起こったか、何を対策したのか、これから何を考えているのかについて、書きたいことを書いてみたいと思います。

 

今秋の娘との自撮りツーショット。なお本編とは関係ない。

 

★注意★

育児は人それぞれです。100の家庭があれば100の事情があり、100の育児があって然るべきものです。たった1つのあるべき姿なんて存在しません。人の意見を鵜呑みにするのは危険ですし、逆に安易に強要してよいものでもありません。自らが、家庭環境と子供の状況を見定めたうえで、子供とどう成長していきたいかを考え、これだと思う方法に思い切ってチャレンジしつつもダメそうなら変えていくトライアンドエラーの姿勢が大切だと思います。なのでこの投稿も、鵜呑みにしないでください。

 

それでは見ていきましょう。

 

①妻の余裕という課題

実は、2020年頭に自ら課した課題として「妻の時間的余裕と肉体的余裕と精神的余裕を更に追加で確保しにいく」というものがありました。もちろん当時から家事育児の半分以上をやってきた自負はありましたが、お互いのライフステージとキャリアステージを総合的に鑑みた結果、2020年はより多くの余裕を妻に捻出するべきという結論に至ったのです。

ただし、ここに残された壁は非常に高いものでした。ツーオペ育児が構造的に持つ問題は、たぶん経験者の方の中には「それな!」と思ってくれる人もいると思うのですが、

  1. 精神的負荷の問題
    ツーオペ育児において片方の負担を減らすということはもう片方の負担を増やすということであり、負担を引き受けることは即ちパートナーにある種の申し訳なさを感じさせてしまいかねない。また、子育て神話の呪いから、育児関与を減らすこと自体に「悪いことをしているのではないか?」と自己非難に陥ることもありうる。この展開は、時間的余裕と肉体的余裕を捻出した一方で精神的余裕を失わせかねず、本末転倒になる。清く、明るく、前向きに負担を移転する夫婦間コミュニケーションが必須となるだけでなく、負担を引き受ける側が「無理をしていない」,「まだまだ大丈夫である」という見え方になることが重要となってくる。
  2. 育児不足による精神的充足不足の問題
    育児として自分の子供に関わることは本来負担ではあるものの精神的充足をもたらすものであるため、育児負担を減らしすぎることは回りまわって精神的充足の減退に繋がりかねない。その意味では、『育児負担を決定的に減らしつつも精神的充足を得られる育児関与の在り方』という実効性担保のハードルが高い課題が設定されうる。
  3. 時間あたり負担極大化の問題
    家事に関する負担移転は比較的容易だが、育児に関する負担移転は子供の特性によってはコントロールが難しくなりがちである。というのも、育児負担を減らすということは子供と過ごす時間が減るということであり、一方の親と過ごす時間が「なぜだか少ない」ことを察した子供は、その親との触れ合いを本能的に求める圧力が働くと思われる。結果として、ツーオペ時に『負担を減らしにかかっている親』の方ばかりに突っ込んでいく子供という事案が発生することで、限られた育児時間における時間あたりの負担が極大化しがちである。

といった構造的な問題があり、コントロールの難しさを感じました。

この問題がなくとも、我が家は2019年の一連の努力で既にひと通りの時短ツールを揃え、家事育児のアウトソースについてもぼちぼち進め、家庭環境の改善も繰り返していたわけなので、「小手先の取り組みでは前進が到底期待できない状態だった」というのが正直な所感でした。となると、人生の在り方を構造から変革していくことで戦域レベルでの対策をしていくというのが基本路線となりつつあります。

 

②ビフォーコロナのリモートワーク

そんな中で最初に取り組んだのが、リモートワークでした。

今となっては一般的となったリモートワーク。日本に広まったのは2020年4月の緊急事態宣言を受けてのことだと思いますが、実はそれに遥か先立って2019年末ごろから一人黙々とリモートワークに挑戦し始めていたのです。もちろんリモートワークをする人は周りに皆無な時代であったため、組織とのネゴシエーション/コミュニケーションは当然のこと、アウトプットを出し続けること、パフォーマンスを落とさないことに細心の注意を払いながらの取り組みとなりました。

なぜリモートワークかと言うと、フルタイムで働きながら保育園の送迎を両方担うことで妻の負担を一気に減らしたかったということがありました。保育園の送迎はなんだかんだ数十分の拘束を伴うものですし、なにより特定時間をロックされることの精神的負担が大きいものです。送りであれば朝のドタバタ時間に出勤時刻を気にしながらの格闘、迎えであれば残業と闘いながらデッドラインを気にしながらの格闘です。2019年はなんだかんだ言って送迎を等分していたわけで、これを100%私に寄せることで、肉体的余裕ならびに精神的余裕を妻に作り出す効果が期待できるだろうと考えていました。

当初はたぶん効果は見込めるとして「実際のところ、どれくらい継続できるだろうか…?」という現実問題を抱えつつのスタートでした。ところが蓋を開けてみると、リモートワークに取り組み始めた矢先にコロナ禍が叫ばれるようになり、国内でもいくつかの先進的企業がリモートワークに全面切り替えをする中で、一足早いリモートワーク経験者として弊社のコロナ禍への適応をリードすることになるとは思ってもみなかったところです。もはや博打にもなっていない棚ボタでしたけれど。。

そして幸か不幸か、コロナ禍は年内に止むことはなく、2020年末にこういうツイートを呟くことになりました。

イレギュラーはあったので100%にはできなかったのですが、保育園の送迎の99%ほどは担うことができました。そしてこの働き方を定着させたことで、予想していたいくつかのネガを実際に体験することになりました。

  1. 稼働調整の余地がない問題
    保育園の送迎の片方だけであれば、微量とは言え「朝に少し早出」or「夜に少し残業」で短期的に稼働不足を補うことができた。これは、もはや純然たる稼働不足を補うというより10分20分追加で作業してキリ良いところまで進めて体よく切り上げる程度の効能ではあるが、それなりに効果はあると感じていた。しかし、送迎の両方と担うとなると調整の余地が全くなくなる。朝、始業する時刻は固定というか厳密には登園が終わってからであり、夜、終業する時刻は終業の鐘が鳴る固定時刻となる。終わりが固定なうえに始まりがふわふわしており、確実な業務執行に対するストレスは大きい。
  2. 休日は期待できない問題
    妻に余裕を作るのがそもそもの目的のため、休日は休日で割と自分のワンオペに寄るかツーオペになるかの二択が基本となる。そのため、意図的に何か特別な行動を取らない限り、休日に自分のフリータイムは発生しない。(後述するキッズライン事件により大きな痛手を受けることとなる)
  3. 深夜未明という修羅問題
    となると、予定通り時間内に仕事を終える努力は当然として、それでも起こってしまった事態に対しての稼働調整は寝かしつけ後の深夜か、もしくは子供が起きる前の未明となる。ただし、これは連発すると早々に体調を崩す諸刃の剣なので、見極めが肝心。ただでさえ、この負担移転は私が「無理をしていない」,「まだまだ大丈夫である」という見え方を前提にしているため、そうやすやすと体調を崩してはいけない。つまり、そもそもが『無茶』でしかなく、修羅の世界である。見極めが肝心(二回目)。
  4. 有休のジレンマ問題
    そのため、疲れ切ったときやまとまった時間が確実に欲しいときは、平日に有給休暇を取得することになるわけだが、それはそれで既に非常に限られた業務時間を削るものであり、プロジェクトの進捗を直接的に停滞させる行為である。仕事と家庭(というより自分の体力)の両立のジレンマが物凄い。
  5. 事務処理問題
    しかし残念ながら、稀に手に入った『非常に限られたフリータイムや有給休暇』の多くは何に費やされたかというと、役所や保育園やインフラの手続き、家計簿の記録とチェック、家庭環境の見直し、娘のワクチン定期接種などであった。非常に限られた時間というものは、『毎日やるものではないけれど月1くらいで必要な雑務』たちに宛がわれると一瞬で蒸発してしまうリスクに晒されている。
  6. お疲れ問題
    前述の事務処理問題を乗り越えてとうとう手に入れた自由のいくつかは、疲れ果てていて特段何も成し遂げることができずに時間だけが過ぎてしまうということもあった。そのときに「次の休みは〇月〇日か…」などと心の中にカレンダーを思い浮かべると心的ダメージが大きかったので、ここではシンプルに『お疲れ問題』などと可愛く表現してみることにした(可愛くない)。

実際に書き並べてみると、それなりにパンチの効く内容になっています。ただ、こういった問題は2019年にも大なり小なり起こっていました。体感的には3割増しぐらいの印象でしたが、2019年を乗り越えて成長した自分としては気合と工夫があれば乗り越えられなくもないものでした。

逆に言うと、育休から復職して試行錯誤していた2019年初頭からコロナ禍が始まっていたら、ちょっと厳しかったかもなと思えるぐらいのハードさではありました。

 

③登園の自粛強制という絶望

さて、前項のリモートワークと保育園送迎については比較的清々しく書いていますが、順風満帆だったかと言うと全くそうではありません。4月7日に緊急事態宣言が発令され、知る人ぞ知る『保育園登園の自粛強制』が始まりました。これは今までのビジネスパーソン人生の中で問答無用で最も厳しかった期間となりました。

緊急事態宣言を受けての対応は自治体によって微妙な差異があったことが分かっており、私の住む横浜市では「『夫婦ともにエッセンシャルワーカーである家庭』を除いて保育園登園を自粛強制する」という厳しめの決定となり、もちろん我が家も自粛強制の対象となりました。我が家では私が週4ワンオペ在宅保育を担う形で着地しました。

さて、お仕事の話に入ります。toBビジネスに携わっている方ならお察しのことだと思いますが、緊急事態宣言を受けて「自社がリモートワークをしなければならなくなった」などという変化は相対的に見れば些細なことであり、決定的だったのは緊急性の高い商材に予算が大きく寄る一方で緊急性の高くない商材の需要が一気に冷え込むという顧客ニーズの激変であり、人々の行動が制限される中でのマーケティングチャネルの激変であり、また従来の法人営業スタイルが一度完全に崩壊したという事実だったと考えています。

法人たるもの、売上を、そして利益を稼ぎ続けなければ存続できません。コロナ禍だからと売上が沈んでいく様を悲しみながら傍観することはできません。つまるところ、コロナ禍であっても事業を継続できるようにするためのあらゆる施策、つまりコロナ禍への適応が必要になったのでした。

詳しい話は守秘義務があるので書きませんが、何が言いたいかと言うと、『コロナ禍への適応』というビッグプロジェクツを前に『週4ワンオペ在宅保育』が始まりましたよという地獄のような展開があったということです。

10年あまりのビジネスパーソンキャリアの中で数多くのハードなプロジェクトを乗り越えてきた私にとって、2019年の育休復職からの試行錯誤でさえトップ3に入るくらいかな…(つまり上にまだ2個あった)という所感だったのですが、今回のは問答無用でトップ1に輝きました。

個人的大変だったプロジェクトランキング

1位:登園自粛下でのコロナ禍への適応
2位:内緒
3位:内緒
4位:育休復職からの試行錯誤
5位:内緒

トップ1に輝いた理由としては、あれですね、今までもデスマーチ的なプロジェクトをサバイブしたり、業界的に実現不可能だと言われているようなことを力業で成し遂げたりとかは割とあったのですが、今回は「無尽蔵かつ週次でコロコロ変わる環境要件に対してそもそも稼働日が週1日2日程度かつ残業できない中で対応する」という、あまり聞いたこともないリソース制約を食らったことが決定的な要因でした。

この時期は本当に異次元の忙しさだったのでツイートもあまりできなかったのですが、いくつか記録に残っているものとして

などがTwitter上に残っています。1ヶ月程度という短期であったがゆえにギリギリ乗り越えられましたが、3ヶ月続いていたら色々と考え直したかもしれません…

 

④キッズライン事件という苦悩

さて、コロナ禍で絶望に沈む我が家に追い打ちをかけた事案として、通称『キッズライン事件』がありました。結果として、この事件を境にキッズラインに発注することができなくなり、休日に自分のフリータイムを確保する有効な手段を失いました。2021年1月3日時点でも失ったままです。

詳細は本件を調査し続けている中野氏の記事に譲りますが、「ベビーシッターのCtoCプラットフォームであるキッズラインにて性加害事件が発生したがそれをキッズライン社が報道されるまで黙秘していた」,「キッズライン上のシッター紹介にて不誠実な情報が掲載される運用だった」というものです。

個人的には、派遣型ではなくマッチング型であるキッズラインで犯罪を防ぐことは物理的に不可能であると考えていましたし、何かあっても発注主である自分の責任だと思っていたので、だからこそ性悪説に則って娘を預けられるに足る人かどうかは厳しくチェックしていました。自己紹介や口コミ、メッセージのやり取りによるスクリーニングはもちろんのこと、依頼時はモニターカメラを見ておくのは当たり前。会社で採用面接をやるとき以上に厳しく見ていましたと思います。

キッズラインで実際にやってみて学んだのは、事前のスクリーニングで大丈夫だと思っても、4人に3人くらいはやはり「何かダメ」となってしまうということ。我が家との相性も加味したうえでの判断なので厳しめだとは思うのですが、結局のところ言語情報だけでは安心安全を見極めきれないということを学んだのです。でもこれ、企業面接で考えたら当たり前ですよね。書類面接だけで判断できるはずがない。アレと同じなのです。当たり前。

そういう我が家の事情を加味した時に、キッズライン事件が我が家に与えた衝撃と言うのは、その「決定打にはならないものの事前スクリーニングに活用していたプラットフォーム情報が不当に歪んでいた」というものでした。これは辛かったです。「マッチング型でやるのなら、情報の透明性と公平性だけは担保してほしかった…そうであれば、自己責任で判断するというスタンスを貫けた…プラットフォームの情報が歪んでいるとなると、何を信じていいのか分からなくなった…まともな事前スクリーニングなく娘を預けるのは不可能になった…」こうして、私はキッズラインから徐々に離れていきました。

そうでなくとも緊急事態宣言で感染拡大リスクが叫ばれる中にあったわけで、「シッターさん、どうしようかな…」とコロナを頭に反芻することもあった時代です。キッズライン事件もあって2,3か月ほど静観していたところ、キッズラインで懇意にしていたシッターさんがログインされなくなりました。たぶん、事実上の退会です。こうして、何度かのリスクを背負ってようやく見つけた『相性の良いシッターさん』を失い、新規のシッターさん探しをキッズラインで再挑戦する気も起きず、とはいえ他のシッター会社を検討する余力もなく、今に至ります。

これが、冒頭にあげていた『2.休日は期待できない問題』にある

そのため、意図的に何か特別な行動を取らない限り、休日に自分のフリータイムは発生しない。(後述するキッズライン事件により大きな痛手を受けることとなる)

という問題を直撃し、自分のフリータイムを確保するための数少ない手段を失うことになったのです。これは今も結構頭を悩ませていて、2019年とは比べ物にならないほど2020年のフリータイムが少なかったという現実、そして2021年も同様の傾向が続くであろう未来を突きつけられています。

とはいえ、新しいシッター会社/シッターさんの検討って、ものすごくコストがかかるんですよね。「業務過多で死にそうになっている最中にリソース対策として進める採用活動自体で自分の首を絞める」展開ってビジネスでは割とありがちな気がするんですが、それと全く同じ構図になっていて正直笑えないのです。これが、プラットフォームリスク、なのですね…

 

⑤積み重ねた家庭環境の改善

ここまでは、うまく行っているような行っていないような…何とか耐えているのか…?みたいな状況で恐縮なのですが、2020年がそれだけ強烈なイベントばかりだったということでご勘弁ください。もちろん小さな改善も、たくさん積み重ねています。いくつか見ていきましょう。

  • 冷凍総菜の定期宅配を利用開始しました。我が家は妻が薄味派なので、安心工房というところを利用しています。毎週10品が届くのですが、イチオシポイントは、(1)毎週メニューを選ぶ手間が不要、(2)湯せんや電子レンジですぐ食べられる、(3)支払いも銀行自動引き落とし、という手間を圧倒的に省いた仕様です。もちろん2割くらいは苦手なメニューも出てくるのですが、「それは親族にあげればよいか」くらいに割り切っています。これのおかげで、忙しくて手料理を作れないときでも美味しくて栄養満点の惣菜にありつけています。
  • 壁収納をさらに強化しました。もはや通常の収納場所では足りないので、壁に取り付けられるタイプの収納を増やし、床に散らかりがちなものを収納するようにしました。結果として、生活導線にある床から邪魔なものが減ったので生活のストレスが減りました。(壁が雑多に収納道具で溢れているというデメリットはあります…)
  • 断捨離をさらに進めました。1年間使っていないものは今後も使わないだろうということで思い切って捨てるというのを季節ごとに進めていきました。使わなくなったスーツも思い切って半分を捨てました。子供の荷物は増えるばかりですが、45平米とそこまで広い部屋ではない我が家でもギリギリ生活できる環境を維持できています。(逆に言うと、忙しくても断捨離はやり続けないとモノで溢れて生活が困難になります…)
  • 改めて、整理整頓を意識しました。2020年秋あたりは疲れがあってか整理整頓が捗らずに片付かない部屋で暮らしていることが多かったのですが、回りまわって家事育児の非効率やストレスの原因となっていました。ちょっと疲れていても、食事は片付ける、食洗器を回す、洗濯乾燥機を回す、オモチャは片付ける、床に落ちているゴミはさっと捨てる、etc...ちょっと疲れていても「今やらねばいつやる?気合いだ!」と体を動かして整理整頓して、床にものが散らばっていない状況をなるべく維持するようにしました。やっぱり多少奮起してでも綺麗にした方が、トータルでは楽だと感じます。
  • 家計のメインバンクを某銀行からソニー銀行に鞍替えしました。引き落としやクレジットとの紐づけを解消するのに結構手間がかかったのですが、オンライン機能や自動化機能が付いてようやくモダンになったので、色々やりやすくなりました。
  • 公開するほどのものでもないですが、家庭のとあるお金の管理するためにちょうどよいアプリを自作しました。Firebase×UIkitでさくっと作った感じです。家庭のデジタル化の余地は大きいと感じます。
  • モバイルSUICAを使い始めました。そしてクレジットカードの使用比率を減らしました。スマホ起点のモバイルSUICAは取り出しが早いだけでなく決済も早いので、クレジットカードと比べて10秒前後早くなるんですよね。毎回の買い物ごとに10秒減らせるとなると、それなりのインパクトがあります。
  • 賛否分かれるところですが、スマホをPixel4、カメラをEOS R6に買い換えました。Pixel4はカメラ機能が強いので動画を撮るにはこれで十分ですし、ぼちぼち写真を撮るのにも使えます。写真の画質はもちろんフルサイズ一眼には勝てないのですが、子育て中はカメラを出す(というかカメラを手元に置いておく)ことが困難であるシーンが多いので、実際にストレス軽減と撮影シーン増という効果が認められました。そしてEOS R6。購入時の考察について興味がある人は長ったらしいツイートを見てほしいのですが、要は10年来のEOS 6Dと最新機種の機能差が激しくなりすぎたので流石にモダンなカメラに移行して効率化を図るべきだよねとなったのです。とくに子供のポートレートという視点では劇的に改善しました。買って正解でした(自分に言い聞かせ)。で、実はスマホの動画撮影用にスマホジンバルであるDJI OM4も買ったのですが、装着と荷物増が面倒でイマイチ使いこなせていません。ガジェット投資で百発百中は難しいので、二勝一敗でもまあよいかな…という感じです。

つまるところ、安定した食の確保、整理整頓の徹底、デジタル化の推進という三軸で、ちょっとしたことを繰り返したというのが正直なところです。家庭の物理的な配置見直しとデジタルの結合は一個一個の効果は小さくても総合的に生活を大幅に改善する余地があると感じているので、2021年はもう少し踏み込みたいところです。

 

⑥更新できなくなったブログ

さて、時間が限られる中でもそれなりの改善施策を繰り出してきた2020年ですが、犠牲となったものは趣味の時間でした。特にブログの投稿数として顕著に出ています。具体的に数字を挙げると、

2017年 47件
2018年 46件
2019年 21件
2020年 10件

と、見ての通り、もともとは週1回ぐらいのペースで投稿していたところ、育休から復職した2019年に半減したのに続き、2020年はさらに半減しました。もう月1回のペースすら維持できていません。さらに、10件のうち6件がビジネスカテゴリとなっており、業務改善に繋がりやすいトピックばかりが書かれるという傾向も出ています。仕事のプロジェクトを乗り越えるためのツールにシフトしつつあり、それ以外のトピック(写真とか育児とか食べ物とか)に時間を宛がう余裕がない状況が窺えます。Twitterでもこんな投稿がありました。

ブログの投稿が減っているということは、自分の人生を見つめ直す機会、言語化する機会を失っているということであり、こういった状況が長期化すると自分の成長が遅くなるリスクに晒されます。とりあえず今の家事や育児を乗り越えたり、とりあえず目の前のプロジェクトでアウトプットを出して乗り切ったりすることは何とか取り繕えても、『やらなくても即座に死にはしない』ブログの投稿数は心の余裕のなさを繊細に映し出します。自らの余裕の指標として、ブログの投稿数は注視していきたいところです。

 

⑦アジャイルへの取り組み

ここまでは仕事的な要素があまり出てきませんでした。それは2019年の振り返りで立てた指針がそれなりにフィットして2020年の仕事の成果に繋がったということでもあるのですが、あえて仕事領域で追加的なトピックを1つ挙げるとすると、それは『アジャイルへの取り組み』だったと思います。

アジャイルと言うと、もともとがシステム開発の用語であったがためにその外ではあまり語られることが少なかったと感じているのですが、2018年の経産省のDXレポートにて言及されるなどを経て最近ではシステム開発の外でも言及されるようになってきたとも感じます。その本質は、まさにコロナ禍のような『複雑で捉えどころがなく、不確実で激しく変化する』マーケットに対応するための有効解の1つだと認識しています。

その一方で、アジャイルはDXと同様に劇的にバズワード化しており、本質を捉えないことによる弊害が大きいと感じるところでもあったので、アジャイルについては限られた時間の中でも優先して勉強を続けつつ実践を急ぎました。ブログにも『アジャイルとスクラムについて、原理原則と基本を押さえる』というタイトルで直接書きましたし、また『IT&マーケティング界隈でプロジェクトマネージャーとして生き残るためのサバイバルハック』で言語化した自分の働き方も結果的にアジャイルの『手法』を色濃く反映していると思います。

コロナ禍が続く2021年のキーワードは、引き続き本質的な『アジャイルへの取り組み』になると考えており、アジャイルの組織実装には引き続き注力していきます。

 

⑧冷ややかに眺める子育て罰

さて、ここまで書いた内容で、『余裕を失いながらも足場の改善を繰り返して何とか乗り越えた2020年』という状況が見えてきていますが、2020年を振り返ったときに「もっと上手くやれたのではないか…?」と強く心の刻んでいる出来事に『子育て罰』にまつわる一連の政治騒動があります。

年初の休校騒動から始まり、ドタバタの中で急浮上しては霧散した9月入学制度、年末の児童手当縮小、そして今なお燻る入試制度の在り方まで、国家100年の計である教育ならびに子育ての体制としての合理性、正当性が大きく揺らいでいると感じた年でした。データに基づかないどころか、ときにはデータを歪曲して解釈して国の在り方が決められていく過程には恐怖すら感じました。戦略的な反作用を棚上げした短絡的な『正論』が押し通される現状を、ただただ冷ややかに見るしかない自分がいました。

自分でも気づいた時点でできることをやってみたつもりではありましたが、たぶんこの段階に至っていた時点で、SNSで呟いたりパブコメを投稿したり署名をしたりをする程度ではどうにも止まらないのでしょう。

人数がそもそも圧倒的に少ない子供たち、そして子供たちを抱える子育て世帯の声を国家体制に届けるには、今の自分には舞台の立ち方から足りないものがたくさんあるのだろうな…と強く心に刻むこととなりました。これについて、2021年にどう立ち向かおうかは思案中です。子育て罰、凄まじすぎて片手間ではどうにもならんな…

 

まとめ

さて、2019年の試行錯誤に続いて、

①妻の余裕という課題
②ビフォーコロナのリモートワーク
③登園の自粛強制という絶望
④キッズライン事件という苦悩
⑤積み重ねた家庭環境の改善
⑥更新できなくなったブログ
⑦アジャイルへの取り組み
⑧冷ややかに眺める子育て罰

ということで2020年の思考錯誤を書いてみました。1年前の振り返りが仕事中心だったところからすると、目線が家庭や社会にだいぶシフトしてきた印象です。これは、仕事に余裕が出てきたというより、2019年を振り返って定めた仕事の指針が幸いにも2020年にそれなりに成果を出せた点、そして外部環境が揺れに揺れ動いた点が背景にあると感じます。

結局のところ、子育て中に全力で頑張って出来ることは、『なんとか現状を維持しつつ足元を少しでも良くしながら長期的な解決策を考えることは怠らない』程度であり、これは何年にもわたって続けないといけないのだなという所感です。コロナ禍が収まることがなく、緊急事態宣言の再来も早々に叫ばれる2021年初頭。より一歩踏み込んだ2021年にするために強く意識したいこととして、

  1. 基礎体力を強化する。ストレッチをすること、筋肉に負荷のかかるトレーニングをすること、不足しがちなタンパク質とミネラルをしっかり取ることを心掛ける。
  2. ブログを少なくとも月に1回、できれば2回書く。そのために、もちろん保育園の送迎は維持しつつ、妻に多くの余裕を捻出する努力は続けつつ、そのうえで自分の時間を作り出す仕組みを構築する。
  3. 本を読む。マジで読む。読まないとダメです。
  4. 日本の子育て環境を改善するための自分の在り方を再考し、何かしらの形で取り組み始める。
  5. 様々な取り組みを並行して実現するために、生活時間のメリハリを意識する。取り組むことに強く専念してパフォーマンスを上げるだけでなく、休むときは徹底して休む。スマホを漫然と眺めるだけの時間は、ゼロにはできないだろうがなるべく排除する。
  6. とはいえ、これら努力はチキンレースのようにアクセルを踏み続けかねない性質であるため、健康には細心の注意を払う。リスクを減らすために、肩凝りや首凝りの解消、眼精疲労の緩和、歯の健康維持、聴覚への意識の確認、体重維持、体脂肪の維持・改善、全身の血行促進、風邪の兆候への早期対処などは日常的に強く心掛ける。

という6点を挙げたいと思います。

2021年は、今まで以上に『どうなるか分からない年』です。逆に言うと、『どうなるか分からないことが史上最高に確定している年』でもあると言えるでしょう。その意味では、『基礎能力を強化し続け、リスクを先手先手で潰し続け、起きてしまった変化に対しては迅速に対応して生き抜く』という姿勢で頑張っていきたいと思います。

日本の子育て人生、ハードモードですね。。

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ブログ著者について
那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援する人。ネイチャーフォト中心の多言語ブログを書いてます。本業はIT&マーケティング界隈でナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋。半年間の育休明けで、家事育児と外働きのバランスを模索中。