こんにちは。那須野です。
半年間の育休から復職して9か月が過ぎまして、家事育児と外働きのダブルワークにもだいぶ慣れてきました。もちろん全てが順調満帆であったわけはなく、山あり谷ありだったわけですが、妻との二人三脚でなんとかここまでやってきました。二人三脚と言うのは文字通り、私が妻を支えることもあれば、妻が私を支えることもあるわけです。結婚式でよく出てくる『健やかなるときも病めるときも』という誓いは、ずばりこういった支え合いのことを指すのだと感じています。
今夏の娘とのツーショット。本編とは関係ない。
そして今振り返ってみるに、我が家に何が起きうるかを想像して心づもりしておくことが、このダブルワークを乗り越えるうえでの鍵だったと強く感じるので、どんなことを考えていたかを今ここに書き記してみたいと思います。
※『想像したこと』ですので、実際に起きたこともあれば起きていないこともあります。
※前提として、我が家は共働き家庭で家事育児は完全折半です。ご理解ください。
なお、過去の主な関連記事はこちらです。これまでの背景を知りたい方はどうぞ。
★注意★
育児は人それぞれです。100の家庭があれば100の事情があり、100の育児があって然るべきものです。たった1つのあるべき姿なんて存在しません。人の意見を鵜呑みにするのは危険ですし、逆に安易に強要してよいものでもありません。自らが、家庭環境と子供の状況を見定めたうえで、子供とどう成長していきたいかを考え、これだと思う方法に思い切ってチャレンジしつつもダメそうなら変えていくトライアンドエラーの姿勢が大切だと思います。なのでこの投稿も、鵜呑みにしないでください。
それでは本題です。漫然と書いても締まりがない文章になってしまうので、①子供が怪我や病気になったらどうするか?、②パートナーが怪我や病気になったらどうするか?、③自分が怪我や病気になったらどうするか?、という3つのテーマに分けて書きたいと思います。それではどうぞ。
我が家は共働きなので、平日の日中は子供を保育園に預けることになります。保育園は、平日日中の子供の面倒を見てくれることで親が労働に勤しむことができるというとても素敵な仕組みですが、残念ながら怪我や病気の時は預かってもらえない場合が出てきます。具体的な5つのシーンについて、考えてみます。
例えば我が家の通う保育園では、登園時に37.5度以上の体温だと預かってもらえません。37.5度とは・・・風邪でなくとも登園前にヤンチャに走り回ったりするとうっかり到達しかねない微妙な温度であるので、見た目の数字以上に気になるところです。
また、家を出る前にも体温を測りますが、保育園に到着したときにも計測するため、もし家を出てから体温が上昇して閾値を超えると、出勤直前に『子供を預かってもらえないこと』が確定するという惨事もありえます。当日の業務予定がみっちり入っていて、かつ1時間後には始業するつもりだったところ、いきなり「今日は働けませんでした」となると単純にかなりの痛手です。職場や働き方にもよるとは思うのですが、預かってもらえなかった子供の面倒を見ながら諸々の業務調整が発生するとなると、もはや頭を抱える以外にありません。
ここで頭に入れておくべきなのは、『誰がこのリスクを負うのか』という認識です。というのも基本的な考えとして、登園時の体温チェックのリスクを覚悟することになるのは保育園の送りをする親であるからです。万が一、体温が37.5度以上と出てしまったら自分はどう動くか、保育園に子供を送るということはそのシミュレーション抜きには担えません。
仕事の調整ができるのであればそれはそれで一つの回答でしょうし、場合によっては親や病児保育可のベビーシッターさんに依頼するのも一つの回答かもしれません。ただし、『家で子供を見ながら仕事をする』という回答は業務効率的にかなり厳しいと言わざるを得ない点は頭に入れておくべきかと思います。
登園時に37.5度未満で受け入れしてもらえたとしても、保育中の検温で37.5度以上になってしまえば、その時点でお迎え依頼の緊急コールがかかります。良くも悪くも親の事情はお構いなし、すぐに子供を迎えに来るよう伝達されます。
登園時に預かってもらえないのも大変ですが、仕事中に急遽仕事を中断せねばならないというのもまた大変です。ただし、登園時と唯一異なるのは、『誰がこのリスクを負うのか』をある程度コントロールできる点です。
保育園では一般的に、緊急時の連絡先を『緊急連絡カード』的な紙に優先順位をつけて複数記入してもらう方式をとっています。そのため、多くの家庭では「どちらかの親を一番上に書き、もう片方の親を二番目に書く」という方法を取っているのではと勝手に推測しているのですが、これだと一人の親がリスクを常に担わなければならなくなります。夫婦の働き方を鑑みたうえでそれが合理的かつお互い納得のいく決断であれば良いのですが、フェアな決断にはなりにくいのでは・・・と思っています。
そのため我が家では、保育園呼び出し専用スマホを用意して、当日に緊急コールに対応しやすい方がスマホを持つという運用を画策しまして、保育園側の了承も得られたため専用スマホの電場番号を緊急連絡先に添えるという荒業により、リスクをうまく夫婦間で分担することに成功しました。
どちらにしても緊急コールの対応には辛いものがありますが、対応しやすい方が対応するよう調整できることの価値は計り知れないと感じます。我が家の運用では、『基本的には私が専用スマホを持っており、私が難しいときには妻に依頼する』という方法で責任の所在を明確化するようにしています。
当時のTwitterでのつぶやき ↓
保育園呼び出し対応の件、
妻と私は通勤時間がほぼ一緒。常に緩やかに職場を離れにくい妻に対し、私はその日の予定によって離れやすいかどうかが劇的に変化するため、
1.私が可のときは私
2.私が不可のときは妻という運用をスムーズにするため、保育園呼び出し専用スマホを用意しようと画策中。
— 那須野拓実@1y3m娘の育児中 (@takumi_nasuno) March 4, 2019
インフルエンザやRSウイルスのような特定疾患にかかった場合は、登園に医者の診断が必要になるなどがあり、実質的に1週間~2週間ほどの登園ができなくなります。その間に誰が子供の面倒を見るかというのは、また大きな問題です。というのも、1日や2日休むだけであれば勢いで無理を押して仕事を休むことは比較的容易いですが、1週間や2週間休もうとなると、業務調整のために考えないといけないことが一気に増えるからです。
例えば今日から1週間休まなければならないとして、『どの日に夫婦どちらが休むのか』の議論が必要になります。仕事の繁閑具合を前提に置きつつ、働き方によって休みやすい曜日、休みにくい曜日があるのであれば考慮するのはもちろんのこと、夫婦それぞれの残っている有給休暇日数や看護休暇日数も加味しての話し合いが大切です。なかなか厳しい結論に至った場合は、親族やベビーシッターに依頼するなどのアウトソーシングも考えます。
1週間~2週間ほどの短期であれば、夫婦が協力してこれらの方法を駆使すれば何とか乗り越えられなくもないと考えていますが、注意しないといけないのは残体力です。病気の子供をケアしながら働くとなると、体力や精神力が普段以上に削られるため、いつもの調子で家事育児と外働きをこなしていたらつい限界を超えて親もダウンする、という展開がありえます。片方の親がダウンすると残った親の負荷が倍増(実際は倍増では済まない)してドミノ倒し的に全員ダウンする展開もありうるため、『家事育児で手を抜けるところは早々に手を抜いておく』,『外働きの業務負荷を抑えられるなら抑えておく』などの対策も考えた方がよいかもしれません。
1週間~2週間ほど頑張れば乗り越えられるインフルエンザやRSウイルスとは違い、骨折や捻挫といった日常生活に支障をきたす重度の怪我をしてしまった場合や、心疾患や脳腫瘍、川崎病など入院をともなう長期療養となった場合には、ある程度回復した段階での保育園での受け入れが可能かどうかは個別相談が必要になってくると思われます。
情報源が不確かなのでここでは直接の引用は避けますが、ネットでの記事や質問を見るに、骨折でも『通常通りの保育ができない』だったり『特別扱いするだけの人員の余裕がない』だったりの理由で子供を受け入れてもらえないケースもあるようで、保育園の裁量によるところが大きいようです。『程度の問題』と言えばその通りなのかもしれないですが、保育園の傾向はある程度把握しておいた方が良いかもしれません。断られてしまったら、平気で1ヶ月以上、保育園に頼らずに子供の面倒を見続ける展開もあり得ると思うと、事前にシミュレーションして覚悟しておくぐらいはしていてもよい気がします。
今の自分のキャリアやスキル、経験を鑑みて、どういった対応が現実的にできるかは一度考えてみると、いざというときに落ち着いて対応できるでしょう。
もちろん健康第一、健康が一番で、そのための努力は欠かさないわけですけれどね。。
怪我や病気ではないですが、乳幼児は定期検診やワクチン接種を受けるために、親が定期的に平日を休む必要が出てきます。細かく数えてはいないですが、たぶん平均すると月に1回以上は休むことになるのではないでしょうか。意外と回数が多いので、繁忙期と重なると結構グッときます。
また、ワクチン接種後の当日の登園をなるべく控えることを規則にしている保育園もあり、その場合は接種自体は経過観察含めて2時間以内に終わるとしても、『朝イチで接種して子供を保育園に預けて自分は午後から出社する』という技が使えないことになります。そうなると、ワクチン接種するには午後休みを取るか全休を取るかに絞られるため、ただでさえ取りにくい平日休みの取り方も限定されてしまい、(午前休なら…取れるんだけれども…)と頭を抱えがちな働き方の親も少なくないでしょう。
定期健診やワクチン接種は必要なものが予め決まっており、だいたいの時期も決まっているため、年間のスケジュールを立てて『今年に何日休む必要があるか』を計算したうえで、夫婦の休みの分担を計画しておくとよいでしょう。
以上、『①子供が怪我や病気になったらどうするか?』について、1.登園時37.5度という低そうで低くない壁、2.保育中37.5度の緊急コール、3.インフルエンザやRSウイルスなどの特定疾患、4.骨折などの重度の怪我や長期療養の必要な病気、5.定期検診やワクチン接種、の5つに分けて書いてみました。
それでは続いて、パートナーについてです。
子供の怪我や病気でも大変でしたが、パートナーももちろん人間ですので怪我や病気になることはあります。現代日本で共働きしながら育児するのはとても大変なので、その負荷が祟って怪我や病気になることはむしろ子供がいなかったときより多くなる『高リスク状態』であると言えるでしょう。
パートナーの怪我や病気に対策するうえで私が考えるのは、状況の厳しさに応じて、『1.予防』,『2.負荷軽減』,『3.先手打ち』,『4.持久戦』の4段階について考察してみました。それではどうぞ。
「仕事はできるし休む必要はないけれどちょっと体調が悪いな・・・」というのは育児をしていればよくあることだと思います。そういったときに通常通り外働きをしながら家事育児も相応の量をこなすと限界を超えてダウンしてしまい、数日間寝込んだり無理のできない小康状態に陥ったり、という展開が大いに考えられます。そのため、パートナーが体調が悪いときには、パートナーが担当している家事育児の一部を代行することで、パートナーの負担を減らすことが、予防策として重要であると言えます。
我が家の場合は、保育園の迎え、夕飯の準備、子供の寝かしつけや夜勤(寝ている子供が泣いたときの面倒見)などを妻が担当しており、子供の食事は共同で行うなどしているため、妻の体調に応じてそれら作業を代行することがあります。
この予防策で重要なのは、二重の意味で、必ずしもパートナーの申告ベースで代行するべきではない点です。というのも第一に、代行した結果として自分自身がダウンしてしまっては効果が薄いので、自分自身の体調も考慮したうえで決断を下すべき点があります。自分の体調も悪い時には、代行するというよりも思い切って家事育児の手を抜いたり、親族やベビーシッターに助けを求めたりするなどの代替案が必要でしょう。
そして第二に、パートナーが常に自身の体調を正しく認識して自ら動けるとは限らないため、パートナーの自己申告とは別に、『パートナーがいつもと同じ調子かどうか』を第三者の目線から日々確認し、必要に応じて自ら対策を提案する必要があるのです。
会社での仕事を思い返せば明確に分かることですが、働きすぎで疲れていればいるほど判断は鈍ります。限界に近づけば近づくほど判断は鈍るため、境界線を見極められずに一線を越えてしまうことはあります。だからこそ会社では労働者の自己判断だけに基づかず、労働時間の制約が設けられていたり、上長や組織のマネジメントによる制止があるわけです。
残念ながら家事育児の現場には自分とパートナーと子供しかいない場合、パートナーを第三者的に見られるのは自分だけになります。「自分もパートナーの体調を見定めて場合によっては対策を提案しよう」という気持ちでいなければ、第三者によるマネジメント不在のブラック企業・・・とまでは言い切りませんが非常にシビアな労働環境に陥ります。
つまり、まとめると、パートナーの提案を無条件で受け入れるのではなく自分の体調も考慮して対策を考えること、そしてパートナーの自己判断とは別に自分もパートナーの体調を見定めて提案するつもりでいること、この2点を以て予防策に臨んでいます。
前項の予防策が1日では済まなかった場合、別の論点が出てきます。というのも、この予防策は体や心に負荷がかかってくるため、何日も続ける場合は自分自身がダウンしないように細心のケアが必要となるからです。平日の月曜日から金曜日まで夫婦で共働きをしている場合、やはり重要な論点として、『週末まで持つかどうか』が挙げられるでしょう。
今日が金曜日であれば今日を乗り越えれば明日は夫婦ともに仕事がないわけで、もちろん育児はありますが、休日であれば親族やベビーシッターにもサポートをお願いしやすくなります。多少は気が楽になるでしょう。
一方で今日が月曜日や火曜日の場合、結果として3日~4日連続で予防策を実行する必要が出てくるかもしれません。それが休日までやり切れるかどうか、自分の心に問うてみます。もし少しでも「厳しいな…」と思ったとしたら、家事や育児、場合によっては外働きの仕事の負担を減らすよう試みるべきです。
手料理はやめて惣菜やコンビニ弁当を駆使する、ベビーフードの使用頻度を上げる、部屋は整理整頓せずに生存できるぐらいの最低限の質だけ担保する、趣味の時間は一切取らずに早く寝る、などなど。普段は行っている家事育児については、緊急時にどこまで手を抜けるか、切り詰められるかは考えておいた方がよいでしょう。
ここで重要なのは、パートナーが疲れているときに、手の抜き方をパートナーに相談して意思決定を委ねてしまうと、パートナーの精神的な負担が増して本末転倒になってしまう点です。普段からどういった手の抜き方ができるかをパートナーと話し合っておき、いざというときには「〇〇は手を抜くよ」の一言で済むようになっていると安心だと思います。
1の予防や2の負荷軽減と同時に発生しうるのが、明日の予測による『3.先手打ち』です。
例えばパートナーの体調が少し悪く、夕飯の準備と夜勤を代行した場合を考えてみましょう。ここで重要なのは、パートナーの体調が明日の朝には回復するか、もしくは悪化するのかです。もし翌朝に体調が悪化して家事育児リソースとしてパートナーを頼れない展開になった場合、子供の食事や保育園の準備と送迎、そして自分たちの朝食や出勤準備は問題なくこなせるだろうか、という問いが出てきます。
我が家のように朝の家事育児のもろもろを半分ずつ担っている、というよりかは共同で行っている家庭の場合、パートナーがいなくなることで、家事育児にいつもの倍どころでは済まない時間がかかってしまうケースもあるかと思います。そのような場合でも、遅刻せずに登園して遅刻せずに出勤することは可能なのか・・・もしそこに不安が残るとしたら、多少無理してでも夜のうちに先手を打ってこなせる家事育児を進めておくことで、翌朝にパートナーを頼れなくとも大丈夫にしておく必要があります。
難しいのは、そのリスクの見極めです。そもそもの話、本来朝やることを前日の夜にこなす先手打ちは負荷が大きいので、2の負荷軽減の話を鑑みても、むやみやたらと繰り出すべきことではありません。そのため、パートナーの自己申告と、自分によるパートナーの観察経験を踏まえて、相対的にどれくらいのリスクがあるかを見極めたうえで、「少し危ないかも…」と思ったときだけに、先手を打つのが望ましいでしょう。
・・ずばり、言うは易し、行うは難しの典型です。
病気や怪我などでパートナーが家事育児に携われないほどの状況に陥ってしまった場合には、持久戦の様相を呈してきます。これは『例えば1ヶ月、一人で子供の面倒を見ながら働くことができるだろうか』という問いに繋がってきます。
このパターンは意外と少なくないと思っています。というのも、がんや心臓病、脊髄損傷、頭部外傷など、見るからに治療が大変そうな病気にかからずとも、例えば捻挫や骨折などであっても家事育児に携わるのが一気に困難になるからです。
足を骨折したら、歩けません。抱っこは不可能になります。お風呂に一緒に入るのも無理でしょう。ある程度分別のついた小学生であれば面倒を見ることは可能でしょうが、言葉もなかなか通じず内外をはしゃぎまわる幼児を相手にするのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
そうなった場合、保育園の送り迎えを含めたあらゆる育児を一人で担い、家事をこなし、外働き仕事を継続するだけでなく、場合によってはパートナーのケアを行う・・・というハードな持久戦を『例えば1ヶ月』続けるとしたら、どういった策を自分は取ることができるのかを考えておくと、事前のシミュレーションとしては非常に応用が利くものになるでしょう。手段や既成概念にとらわれず、自分が取れる策が見えてくると思います。
長くなりましたが、『1.予防』,『2.負荷軽減』,『3.先手打ち』,『4.持久戦』の4段階でパートナーの支え方を考察してみました。手段を豊富に持っておくこと、いざというときに慌てず速やかに対策に移れることが非常に大切だと感じます。
最後の要素として、パートナーでなく自分が怪我や病気になる場合についても考えてみたいと思います。これは前章を逆から見た議論であり、『自分が家事育児の負担を減らすないしゼロにせざるをえないときに、どうやったらパートナーの負担を減らせるだろうか』に対する考察でもあります。
ここでは、『1.速やかに寝込む準備』,『2.貯金と保険の確認』,『3.健康のための不断の努力』の3つに分けて書いてみたいと思います。(※我が家は全ての家事育児をお互いで理解しているので敢えて書いていないですが、もしそうでない家庭の場合は家事育児の箇条書きマニュアルを作っておくなどは有効です。大変ですけれど。)
主に風邪やインフルエンザ、胃腸炎などで体調を崩してしまった場合、最優先に考えるべきは自分の体調回復です。家事育児をパートナーに任せて体調回復に専念するわけですが、そのときになるべく自分のことは自分で看られるとよいでしょう。つまり、速やかに寝込めるかどうか、です。
例えば風邪で寝込む場合を想定した時には、風邪薬や解熱剤などの市販薬、水分補給にスポーツドリンクや経口補水液、おかゆなどのストック、また普段は着ないような厚手の服は、すぐに出せるかどうかが大切です。人によってはそれ以外にも栄養ドリンクや野菜ジュース、熱さまし用冷却シートや湿布などもあるとよいでしょう。
身動きが取れないような状態であれば話は別ですが、自分の身の回りのことは自分でこなして静かに寝込んで回復を待つことで、家事育児は何もできないなりに、パートナーが余計な事に気を回さずにいられる状態を確保することはできるでしょう。
入院が必要な大きな怪我や病気の場合を考えると、貯金と保険も確認しておきたいところです。
例えば自分が働けなくなって収入がなくなった場合、自分の貯金や家庭の貯金はどれくらいの期間なら今の生活を維持できるのだろうか、また加入している保険からはどれくらいのお金が下りて家計の助けになるだろうか、またその保険のお金をもらうにはどういった申請が必要で、申請してからどれくらいでもらえるのだろうか、といったことは自分自身はもちろん把握しておくべきですし、ものによってはパートナーと共有しておくべきでしょう。
自分が倒れてパートナーがワンオペ育児をしながら働くことになったとしたら、その日を生き抜くことに精一杯になって、貯金や保険などのことを考える余裕が無くなったり、また長期的なことを考える余裕もなくなってしまうリスクが高いです。もし不十分だと感じるのであれば、何事もなく無事な今こそ、貯金や保険の状況を確認すべきだと感じます。
なんといっても一番大事なのは、『健康であること』であり、健康であるための不断の努力を続けることです。育児をしながら共働きしていると、時間もお金もなかなか余裕を持てないというのが今の子育て世代の一般的な感覚だと思いますが、だからと言って不健康な生活を続けてしまうのは問題です。
いつもの生活の立ち位置から一歩下がって客観的に自分の生活を振り返り、どうしたら健やかにいられるだろうか、どうしたら体や心への負荷を減らせるだろうかを考え、試行錯誤しながら実行していくことが大切です。
体に優しい食事をとる、規則正しい生活を送る、定期的に運動をする、睡眠時間をしっかりとる、一人でいられる時間を作る、人に感謝し感謝される生活を送る、希望を持って一歩ずつ前に進む、ストレスをため込みすぎない、自動化できる家事は自動化する、健康維持のためのエビデンスのある最新情報を追い続けるなど、私が気を付けている(気を付けたい)ものを抽象的な形で挙げるだけでもたくさんのことがあります。不断の努力を通じて健やかでいられれば、上で語ってきたような対応にも実効性が出てきます。
現代における保育園は、親が保育できない日に子供を預かる仕組みのため、親が会社を休むと子供を受け入れてもらえないというのが基本になっているようです。このせいで、子なしビジネスパーソンが有給休暇で不調時に体力を回復するという普通の技が、子ありになった瞬間使えなくなるのは社会のバグかと感じるほどにハードな条件であるので、なおさら健康であることの大切さを痛感する毎日です。
基本に忠実に、という当たり前の結論なので恐縮です。
以上、『1.速やかに寝込む準備』,『2.貯金と保険の確認』,『3.健康のための不断の努力』の3つに分けて、自分の病気や怪我についてできることを書いてみました。全てを完璧にできているかと言われると正直そうでもなかったりするので、自分自身、書いていて耳が痛いところでもありました。
さて、今回も1万字を超える長文となりました。
『家族を支えるための家事と育児と外働きシミュレーション』と題していますが、別の見方をすると、『家事育児と外働きの負荷マネジメント』でもあったりします。
こういった言語化は、何について言及しているか以上に、どういった流れで物事を見ているかという構造の方が重要だと感じながら、自分で整理して言語化している中でも、(あーこれはちょっと自分も弱いところがあるなあ…)などと思うところもありながら、最後まで書いてみました。
私自身は専門家ではなく、ただの一人の親として思うところを文章に書いただけではありますが、ここまで読んでいただいた方の何かの気付きに繋がれば幸いです。