一人十郷 - Takumi Nasuno Photography
育児
2019/07/17

【男性目線の育児#18】なぜ私は妻のキャリア継続を目指すのか、なぜ一人で育児できることを目指すのか、の背景にあった思考を言語化してみた

こんにちは。那須野です。娘の育児を始めて1年が経ちました。そういえば一連の育児を振り返るに、

①妻がキャリアを継続できる

②私一人で育児できるようになる

の2つを当初から目標に据えていたのが、自分事ながら興味深く感じられたので、当時の思考を言語化してみます。

 

南沢あじさい山にてツーショット。朝に出発して夜に帰ってきたので、実質的に初の父娘日帰り旅行であり、子連れソロ旅行の厳しさとアウトドアの厳しさをぼちぼち体感するイベントだった。なお、この写真は本記事とは全く関係がありませんので悪しからず。

 

※本記事は、Twitterへの連続投稿という形でだらだらと書いた文章の転載ですので、ご留意ください。

 

★注意★

育児は人それぞれです。100の家庭があれば100の事情があり、100の育児があって然るべきものです。たった1つのあるべき姿なんて存在しません。人の意見を鵜呑みにするのは危険ですし、逆に安易に強要してよいものでもありません。自らが、家庭環境と子供の状況を見定めたうえで、子供とどう成長していきたいかを考え、これだと思う方法に思い切ってチャレンジしつつもダメそうなら変えていくトライアンドエラーの姿勢が大切だと思います。なのでこの投稿も、鵜呑みにしないでください。

 

まず、家事も育児も外働きの仕事も、何のためにやるかというと、自分が幸せになるためです。家族のため、社会のためと言う人もいるとは思いますが、それは他者を幸せにすることで自分が幸せを感じるだけで、やはり大事なのは、法律と道徳に反しない範囲で自分の気持ちに正直であることだと思います。

 

では私にとっての幸せとは何か。端的に言うと、

『家族とともに健やかでいられる今、楽しい思い出の時間に投資を続けたい』

と思うのです。もちろんライフワーク的な、データとサイエンスを突き詰めた先にサイエンスとアートの狭間で割り切れないモノの探究は続ける前提で、ですが。

 

なので、もちろん外働きの時間を取り過ぎることなく、それでいてそれなりのお金を安定して稼ぎ続けることで、家族との十分な時間を取り続ける必要があります。その意味では、苦なく生活できるだけのお金、すなわち十分な世帯可処分所得をどうやって安定的に確保するかという論点が出てきます。

 

さて、所得に累進課税がかかる日本では、一人でたくさん稼ぐより、二人で半分ずつ稼ぐ方が自由に使えるお金は増えます。例えば年収1000万円だと可処分所得は約728万円、年収500万円だと約387万円なので、夫婦で500万円ずつなら倍の約774万円。これだけで50万円弱増えます。

参考→https://www.sakai-zeimu.jp/blog/archives/7051

 

逆に夫婦で500万円ずつ稼ぐ場合と同じだけの可処分所得を一人で稼ごうとしたら、年収1100万円近く稼がないといけないことになります。そのため、

『同じ額を稼ぐなら一人で稼ぐよりも二人で分けて稼ぐ方が使える額は多い』

というのが、ほどよいお金を稼ぐことを考えるうえでの基本です。

 

また、一人で稼ぐ場合は、怪我や病気、不慮の事故などで働けなくなった場合に収入がゼロになりますが、二人であれば片方の収入は残ります。この分散投資的な観点から見ても、夫婦の収入がなるべく同じ・・・とまでは言わずとも、夫婦ともに一定以上の収入を稼ぐことができる状態は望ましいでしょう。

つまるところ、一生困らない資産があるわけでも、夫婦どちらかが桁外れに稼いでいるわけでもなく、夫婦でぼちぼちの収入差があるだけの場合、収入が少ない方がより外働きに注力することでキャリアアップする余地があるのなら、収入が少ない方がより外で働くことが全体最適になりうると考えています。

というのも、収入が少ない被雇用者は一般的に、スキルや経験が未成熟であったり、社会的な立場が弱い傾向にあります。それゆえに、外働きに注力してスキルや経験を積み上げ、収入を増やすことで、社会的に立場を安定させることの限界効用が相対的に大きいと考えられるからです。

 

・・・残念ながら、1日に使える時間は限られています。家事に育児、外働きに、休息、自己研鑽。

外働きに注力するということは、家事育児の負担を減らし、自己研鑽の時間を取り、休息をしっかり取って、外働きの時間あたりの成果を高め、時間制約の中でスキルと経験を蓄積していくことでもあります。

 

この観点から考えれば、

『どれだけ可処分時間を確保するか』

逆に言うと

『どれだけ家事育児に時間を費やさないか』

というのは、『今、夫婦どちらの収入増に優先投資するか』という難題に繋がってきます。

 

「夫婦の中で収入の少ない親が家事育児を多く負担するべき」などと都市伝説のように流れる主張が物悲しい理由を端的に説明すると、

「どちらの収入を増やすか?」

と言う質問に対して

「収入の多い方の収入を増やす」

と言って、多くの場合は自分への集中投資を無条件に肯定する点です。

 

いや、もちろん良いのですよ。もちろん。

夫婦で話し合ってお互い納得したうえで、自分が大黒柱となってウン十年と家族を支え続ける覚悟でもって自分への集中投資を決行するのなら、それはそれで一つの尊い決断だと思うのです。

きっとそんな人は、いざというときのために「自分が死んだら●億円」みたいな生命保険をかけておくのでしょうね。そうしないと、万が一でも自分が死んだら家族が路頭に迷ってしまいますからね。まさか、後は野となれ山となれ、と言うわけはないでしょうからね。

 

でも残念ながら、私にそんな覚悟はないし、怪我だって病気だってするでしょうし、事故にだって遭うかもしれないし、一生を添い遂げられないかもしれない、ぐらいには思っています。もちろん一生を添い遂げようとは思うけれど、思いもよらないことが起こりかねないというのが人生だと思うのです。

 

それに、

『自分が死んだ後でも家族が生活に困らないだけのお金が渡るように、現世でそれなりの額のお金を生命保険に入れ続けるために日々節約する』

なんてことをするぐらいなら、自分の生きる現世でお金を使って家族で楽しい思い出をたくさん作りたいし、なるべく一生を添い遂げられるように健康維持にお金を使いたいし、なんならもし私が死んでも私無しでも経済的に生きられるように、妻には強くあってほしいと思うのです。

それがつまりは、冒頭に掲げた『①妻がキャリアを継続できる』という目標なのです。

 

とはいえ、現代の日本で子育てをしながら働くことは、ともすれば過酷になりがちです。

子供ができたことをきっかけに、野心的に働いていた人が保守的になり、成長を諦め、今の仕事を維持することだけを目指すようになることは決して少なくないでしょう。

しかし、悲しいかな、テクノロジーが劇的に進化していく現代では、成長の停滞、ならびに働き方の停滞は、5年10年もすれば賃金に大きく跳ね返ってくるでしょう。となれば顔を上げ、前を見て、歩みを続けなければいけません。成長し続けないと、いけません。

成長し続ける中では、常にではないにしても、時には家事育児から離れたくなることがあるでしょう。

ポジティブに言えば、資格受験や昇格試験、または繁忙期や大きなプロジェクトを乗り越えたいとき、ネガティブに言えば、ちょっと疲れたときや失敗したとき・・・

 

プライベートでも、ビジネスでも、人生には必ず波があります。

波が高いときに荷を下ろせるかどうかは、長い人生を潰れず生き抜くうえで極めて重要です。この観点では、『家事育児を一人で全て担えるかどうか』というのは、パートナーの波が高いときに荷を肩代わりできるかどうかに繋がってきます。

 

私について言うと、学生の頃から料理をしており、一人暮らしを始めてからは全ての家事を修行と思ってこなしていました。家事は既に大丈夫だとすると、冒頭に掲げた『②私一人で育児できるようになる』というのが、夫婦で成長し続けるために、妻の波が高いときに荷を肩代わりするための条件でした。

 

残念ながら本件は、少しでも家や子供について心配させてしまうと妻の集中力が大きく削がれます。

なので肩代わりとは、文字通り全てを肩代わりできないと価値がガタ落ちします。タスクリストのように「これとこれができる」ではなく、書いていないことも含めて「全部うまくやれる」ことが肝要です。

となれば次に考えたいのは、『②私一人で育児できるようになる』として、いつまでに一人で育児できるようになるべきかというスピード感の目標です。これは、『我が人生を賭して、最速で』というのが私の答えでした。

というのも、妻の波が人生最凶クラスに高いというか大荒れなのは、妻自身も育児経験皆無である第一子の、様々な行動制約と圧倒的な寝不足が襲い掛かる新生児期~首すわり期であり、この期間にどこまで妻を精神的に支えられるか肝要だと思ったからです。

 

新生児期~首すわり期と言えば、産後最初の3か月。スタートダッシュあるのみです。

激動の3か月を育児に専念することで、私自身の育児スキルを一気に上げ、少なくとも妻と同等以上に成長し、同等以上のことをできるようになり、妻が精神的に安心して私を頼れるように感じてもらう必要があります。

第一印象、超大事。

ここで失望されるとリカバリは至難の業だと思いました。そんな覚悟で、『②私一人で育児できるようになる』には臨んでいました。

そのための半年間の育休と、出産予定日前からの長期有休でした。

 

つまり、家事育児の負担を減らして可処分時間を増やすという『夫婦どちらの収入増に優先投資するか問題』のもとで

①妻がキャリアを継続できる

②私一人で育児できるようになる

という目標を課し、

『家族とともに健やかでいられる今、楽しい思い出の時間に投資を続けたい』と思いを馳せるのです。

 

なお、構造的な話としては、妻の波が高いときに私が負担して波を抑えることで妻のキャリアを継続させる戦術効果を狙いつつ、当の私は、残業無し制約のもとで当事者視点から組織の属人性解消や多様性獲得のための提案を続ける個人ブランディングという戦域効果を狙っており、

つまるところ、妻のキャリアアップと私のキャリアアップが両立できるように、家事育児への注力が、妻の利益と私の利益が戦略の別レイヤー(つまり妻にとっては戦術レベル、私にとっては戦域レベル)でずれて発生するようにデザインするということを、実験的に試みています。

 

こういった『ずらし』が全ての夫婦間、全ての職業の組み合わせでできるかどうかは分かりません。

直感的には、相性の悪い組み合わせはあるのと思いますし、相性以外にも当人に付帯する能力や経験、また職場環境にも依存するので、正直どれくらいの夫婦が可能なのか・・・意外と少ないかもしれません。

それに、戦域効果によるキャリアアップはテクニックが必要で、因果関係は見えづらく、短期で効果が出にくい…というよりかは恐らく育児を始める前からの個人ブランディングも大きく関わる気がするので、『ずらす』と言うは易し、行うは難しです。

だから世は容易な戦術だらけになるのだと察します。。

 

なお・・・

我が家の話に戻ると、この通りに私が頑張ったところで、これが正解であるという保証は全くなく、妻はキャリアアップできないかもしれないですし、私もキャリアアップできないかもしれないですし、また夫婦で一生を添い遂げられないかもしれません。未来はどうにも分からないものなのです。

ただ一つ言えるのは、私は自分で考えて、決めて、覚悟をもって行動しているので、どんな結果でも後悔はしないであろうこと。

不確実性と多様性に生きる我らが子育て世代には、目先の利益や楽さに囚われず、人生数十年を見据えた判断が求められていると感じる今日この頃です。

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ブログ著者について

那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援する人。ネイチャーフォト中心の多言語ブログを書いてます。本業はナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋ですが、今は半年間の育児休業中。
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