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育児
2019/04/16

【男性目線の育児#14】お手製ロンパースへの挑戦について、振り返りと課題の整理をしてみた

ようやく購入したミシンで手作りロンパースに挑戦したところ、とりあえずは形になったものの、色々と考えさせられることが多かったですし、裁縫という意味では課題もたくさん見つかりましたので、ここでザっとまとめてみたいと思います。

 

 

★注意★

育児は人それぞれです。100の家庭があれば100の事情があり、100の育児があって然るべきものです。たった1つのあるべき姿なんて存在しません。人の意見を鵜呑みにするのは危険ですし、逆に安易に強要してよいものでもありません。自らが、家庭環境と子供の状況を見定めたうえで、子供とどう成長していきたいかを考え、これだと思う方法に思い切ってチャレンジしつつもダメそうなら変えていくトライアンドエラーの姿勢が大切だと思います。なのでこの投稿も、鵜呑みにしないでください。

 

そもそものきっかけはこちら。

 

Twitterではいくらかパパ垢さん、ママ垢さんにフォローしていただいていますが、とりわけママ垢さんは手芸好きクラスターと少なからず重なっているようでして、TLに時々登場する手作りロンパースの数々・・・。手作りはやはり、お店で見つけた「ずばりこれ!」という生地を使った服が手に入るというメリットだけでなく、既製品にはなかなかないワンポイントのオシャレを付けて楽しむことができるメリットもあるため、なかなか魅力に溢れています。

体が小さいうちは服を作るのも比較的簡単ですし、年齢が上がって自己主張が始まると色々と好みが出てくるかもしれないですし、何よりあのロンパースのフォルムが社会的に許されるのはサイズ70-90ぐらいでしょう・・・。ついでに娘が入園するタイミングで服がいっぱい必要になるため、今こそがミシンを買って服を作るべきタイミングなのでは・・・(!)

 

娘の入園間近となった3月末に、とうとう購入(だけ)しました。

 

買っただけでした。

買っただけで、2週間ほどは押入れにしまってありました。

なんていったって、そもそもの保育園の準備で手いっぱいでしたし、5月頭に控える妻の復職に向けての準備も山積み。行動範囲が日に日に広くなっていく娘の対策も並行して進めており、ついでに合間に許された時間で『長い人生の中で短い貴重な育児期間のまとめと振り返りをブログに書くこと』もやっている中では、「ミシンなんて・・・」という思いが無かったと言えば嘘になるでしょう。

 

時間、ないですもん・・・

 

あ、ついでに言うと、その間に書いたブログ記事はいずれも長文で、育休による育児専業期間と外働きしながらの育児期間からの考察を総まとめしたような位置づけの文章でございます。長文考察系がお好きな方は是非。

 

さて、時間だけが過ぎていく中でフォロワーさん達が続々と作品を投稿し、娘の保育園デビューも着々と進んでいく中で、「ミシンの減価償却どうするの・・・?」という身も蓋もない疑問が頭に浮かびまして、一念発起して型紙から作り始めたのでございます。

今となっては完成したから良いものの、たぶん、型紙から作って完成するまでの総工数は24時間ぐらいかかっていると思われるのです。時給800円の薄給で換算しても、稼働原価が二万円を超えてしまいます。いっても数千円に収まる材料費と比べて人件費かかりすぎやん・・・というのが率直な感想でして、世のベビー用品店に千円で買えてしまうベビー服が溢れているところを見るに、「自分で作る意義とは・・・?」と単なる実用上の価値以外を求めて脳内荒野をさまよう自分がいたのは事実です。

そんな24時間を鑑みるに、やはりこの過程で考えさせられたことを言語化し、誰が読むかも分からない弱小ブログにて公開することで、社会に還元するのが筋でしょう。ということで、①生地購入編、②型紙作り編、③生地切り抜き編、④縫製編、⑤プラスナップ編、⑥試用編、の全6章にてお届けします。

 

※注意:筆者は基本的には裁縫初心者かつ我流なうえ、今回の裁縫にあたって教科書的な本は一切読んでいないため、一般的な方法から逸脱している可能性が無きにしも非ずです。その点、ご留意の上お読みください。

 

①生地購入編

最近はネットで購入する人も多いと聞きますが、やはりベビー用といえば肌触りが大事。とりわけ最初は自分で触って確かるべきでは・・・と考えて、近所のユザワヤへ。私は横浜市の鶴見区に住んでいますので、ユザワヤ蒲田店が比較的近所なのです。数ビルにまたがって多くの生地を扱うこの店は、生地取扱数では名実ともに首都圏トップクラス。最近ではコスプレ用の生地も大々的に扱っているようです。

ベビー用の、しかもロンパースを作るということで、「綿100%は当然のこととして、ニット系の伸縮性のある生地を選択したい」、そう考えていた私を待っていたのは膨大な生地の山・・・。そもそもニットが、どのビルの、どの階層の、どのコーナーに存在するのかを探すのに一苦労、そして見つけた後にニット生地の種類の多さに一泡食らった次第です。色合いとか柄云々の前に、ニット生地自体に両手では足りないくらいの種類が存在するという・・・触ると生地の微妙な違いを感じることはできなくもないですが、本当に素材の豊富さに驚きました。

色々と見ていった結果、バンビーナスムースがベビー用のニット生地を銘打っているだけあって素材感も柄も抜群でしたので、これをメインに添えました。柄無しは他にも色々と展開していたので、色合い重視で選定していきました。

なお・・・ニット系の生地に非ニット系の生地を合わせると服の一部分だけに中途半端にストレスがかかって違和感が出てくることを危惧しまして、基本的には『ニット縛り』なる選び方をしました。ただし、差し色的に使いたかったチェック柄はニット生地がそもそも存在しないようでしたので、こればっかりは非ニット生地のものを選択して、バイアステープの発想で斜めカットして伸縮性を持たせる作戦にて妥協することにしました。

 

②型紙作り編

生地が揃ったところで型紙作りです。ぶっちゃけて言うと、どんなロンパースを作るかは生地を選びながら頭の中で考えていたので、この段階でようやく頭の中でイメージが固まったかな、という感じでした。

型紙作りについては、手元にある複数の市販品のロンパースを参考にしながら、娘の体格をある程度は考慮しながらA3用紙に書いては切り、書いては切りを繰り返しました。もちろん縫い代は考慮します。A3ではみ出る型紙があったり、一度切り取ったはいいものの小さすぎたときは、セロハンテープでくっつけて大きく作ったりしました。後半では完成形を想像しながら複数の型紙を合わせてサイズの確認をし、ここでも微修正が発生したりしました。

ロンパースは、通常のTシャツやズボンと比較して縫い付ける布の枚数がやけに多く、立体縫製的な要素が強いように感じました。布を切った後の縫製段階での調整は負荷が大きいため、平面の紙の段階でできるだけ立体の完成像を想像して調整ができるかどうかが、ロンパース作りの鍵であると感じました。

ちなみに・・・、終わった後で振り返ってみると、型紙の段階で微妙にサイズを間違えて作っていたことが縫製段階で発覚し、後から布を切って小さくしたり、改めて大きく布の切り抜きをし直したり・・・という事態は何度か起きました。特に、自信のなさからか、縫い代を必要以上に大きく取ってしまったがための再調整が多かったように感じます。型紙を作るにもそれなりのスキルと経験が必要なのだな・・・という発見がありました。

 

③生地切り抜き編

基本的には、型紙を布に当てて、チャコペンで型紙に沿って線を書いて、その線に沿ってハサミで切る、という流れでございます。

この段階は、大した問題は発生しない(というよりかはこの段階で発生すると後先思いやられる)ので、粛々と書いては切り、書いては切りを繰り返すだけでした。

 

④縫製編

ここが本番です。実際に生地を縫っていきます。まず、

「どこから縫うねん・・・」

という疑問がふつふつと沸き起こります。型紙ごとに、つまりパーツごとに布を切ったはいいものの、パーツが多すぎてどこから縫えばいいのかパッと見では分かりません。ほつれ止めも考慮しないといけません。縫い目をひっくり返してほつれを止めるのか、かがり縫いをするのか、かがり縫いをするときは布1枚でかけるのか、それとも布を合わせてからかけるのか・・・それらによって、縫う順序だけでなく、生地を縫い合わせる向きも変わってきます。また、プラスナップを付ける箇所は布を上掛けして補強する関係で、他の箇所と比べて若干複雑になります。

基本路線としては、全体を上部と下部に分けて、上部を縫う⇒下部を縫う⇒上部と下部を縫い合わせる⇒布を上掛けする⇒バイアステープを付ける、といった順序で進めました。

 

今回は、上部と下部の間に差し色として別の布を入れる関係で、左右対称になるようバランスを取ることが重要になってきました。全体感を持ち、全体を眺めて注意しながら細部を縫っていきました。

最初は布を合わせてかがり縫いをするだけで布は十分に止まるかと思っていたのですが、引っ張ると意外と弱くて心許なかったので、ジグザグ縫いとかがり縫いのダブルで縫うのを基本としました。ちなみに直線縫いではニット生地に糸のせいで変なテンションがかかってしまうので、敢えてジグザグ縫いとしました。

なお、プラスナップ箇所の布の上掛けについて・・・、上掛けだけガーゼ系の生地を使ったために伸縮性がなく、縫っている最中に「あっ、これではせっかくニット生地に絞ってふんわり服に仕立てようとしたのに、上掛けはバイアスもかけていないから変なストレスがかかってしまう・・・」と不安になってしまいました。ただ、次工程で気付いたのが、プラスナップを付けて取り外しをするには生地にある程度の強度が必要だということ。ニット生地だとプラスナップの取り外しができない一方、非伸縮生地で上掛けすると、あの『布を引っ張るとプラスナップがパチパチ外れていく感覚』が再現できたのです。

「なるほど・・・全体はニット生地で伸びるようにして優しい感じにするけれど、プラスナップを付けるところだけは伸びない生地で補強する必要があるのか。。。」

というのは想定外の嬉しい発見でした。

 

⑤プラスナップ編

こちら、事前にネットで購入した大量のカラフルなプラスナップから好きな色を選び、布に穴をあけてプラスナップをセットし、万力みたいなツールで装着していく流れです。

装着作業自体はスムーズにできたのですが、思った以上に辛い結末が待っていました。第一に、一度装着したプラスナップは非常に外しづらいこと。第二に、ニッパー等を使って無理矢理外しても跡が強く残るので結局使い物にならないこと。特に後者は想定外でした。

だって、プラスナップ、外しにくいとはいえニッパーで切れば外れることは知っていましたし、いざとなったら外すつもり満々で下からプラスナップを装着していったのですよ。

で、思ったよりもちょっと間隔がズレる・・・というよりかは何個か装着していくと、全体のバランスとしてもう少しずらしたいと思うじゃないですか。で、ニッパーを取り出して、意気揚々に外すじゃないですか。で、外した後のところに、大きな穴と、穴を囲うかのような円形の跡が見えるじゃないですか。

 

「あっれー・・・・・?」

ってなるじゃないですか。苦笑

 

いや、もう、プラスナップが外しにくい問題の前に、外したところで跡がひどくてそのままにはできない問題があるとは思いませんでした。ちょっと生地をこすってみたり、ねじってみたりはしましたけれど、何にも意味なかったですね。これ、もう無理だ、と。

流石に、数々の修羅場を乗り越えてようやく完成に至ろうとしている生地の一部分をバッサリ無かったことにして再度作り直すことは到底考えられなかったので、速やかに同じ場所にプラスナップを再装着し、ちょっと想定外ではあるけれど詰め気味に別のプラスナップを装着・・・というイレギュラーな対応でとりあえずの実用性だけ担保しました。全体のバランス的な見た目は、若干は気になりますけれど、しょうがないところです。

プラスナップ、ロンパースの作成工程の中で、最初の設計が最も肝心だった模様なのですよ。。

 

⑥試用編

ということで完成したロンパース。実際にプラスナップを付けたり外したりして確認しつつ、娘に装着して問題なく動けるか確認してみます。

 

「うん、大丈夫、そうかな?」

と思いつつ、改めてプラスナップを外していたら、

 

「んー・・・?」

なんだか一箇所だけ、微妙に上掛けの布がほつれている気がしますのですよ。。もう1回着脱を繰り返すと、やっぱりほつれかけています。上掛けの布だけとはいえ、これを繰り返すと強度的にはまずいのではないか・・・という疑惑が浮上しました。

プラスナップを付けるときは、もう少ししっかりした布を上掛けに使いつつ、プラスナップを付ける箇所は局所的にもう1枚布を上掛けするぐらいはしてもよかったのではないか・・・という後悔が頭をよぎります。

「今から直すとしたら、一回プラスナップを外して、布を当ててから再度プラスナップを付けるぐらいができることかな・・・。でも偶然、使っていた茶色のプラスナップの在庫がちょうど切れたんだったよな。。」

と悩んでいるところで現在に至ります。笑

 

あと、首周りのバイアステープの縫いが完璧ではなかったようで、下の布の端が微妙に(3mmくらい)見えているような気がするので、そのあたりもやっぱり要改善ポイントに挙がるのではないかというのも、実際に娘に着てもらったときに気付いた点ではあります。

実際に試して確かめるのは、どの分野でも大事ですよね。

 

まとめ

ということで、ミシンを買って初めてのベビー服作りと言うことで、お手製ロンパースについて6章にわたってとりとめもない思考を言語化してみました。振り返るに、特に、

  • 意外と大変なロンパースの立体縫製
  • 自由度が高すぎて迷う縫製順序
  • プラスナップ用の上掛け布の謎解明
  • 慎重にいくべきプラスナップの位置
  • 実際に使うと気付くボロ

あたりは強く記憶に残っていることが確認できました。この文章が、子供の服作りに踏み出そうにも踏み出せない親御さんの背中を後押しできるとしたら、著者冥利に尽きるでしょう。

 

お手製ロンパースを着た娘の図

※なお、この画像は家の中が思いっきり写っていたので、背景はぼかしました。

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ブログ著者について
那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援していた人。元語学屋。時々写真垢とか手芸垢。山とか滝とか紅葉とかが好き。本業はナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋。コロナワクチン接種済み。