前回の投稿ではデジタル一眼レフとスマホカメラの差分を考えてみた結果、なかなかスマホでできることが増えすぎていて、ほとんどの人はスマホでいいんじゃないかと思ってしまっていました。
デジタル一眼レフを持つべき人の条件として以下の5条件を挙げていましたが、
- カメラ男子、カメラ女子でありたい人。
- 収差を含めた厳密な画質を追い求める人。
- 望遠〜超望遠、暗所、高速で動く被写体、逆光などの厳しい環境で撮りたい人。
- 自然な(かつ強烈な)背景ボケを実現したい人。
- 大サイズ(少なくとも六切以上)でプリントしたい人。
なんだかしっくり来ませんでした。苦笑
結局のところ、ボケとノイズの性能差が肝であることを考えると、ボケを気にしない場合にはノイズがどれだけ違ってくるのかを具体的に検証する必要があります。それが叶えば、スマホでよいはずの人に安心してスマホを推奨できるというものです。
ということで、全く同じ被写体を、ほぼ同じ撮影条件で撮影しました。なお、デジタル一眼レフ側はCanon EOS 6D × Canon EF 24-70mm f/2.8L II USMの組み合わせ、スマホカメラ側はHUAWEI P9 lite × Adobe Photoshop Lightroomの組み合わせです。
では見ていきましょう。
前回の記事でも書いた通り、スマホカメラでも色はほぼ揃えられることが分かります。
なお、この文章を書いているMacbook Proで見ると、実は画質自体に差があるのが分かるのですが、スマホやWindows PCで見ても違いは非常に分かりづらいです。というか・・・たぶん分からないと思います。加えてSNSにアップする場合は更にjpeg圧縮されるので、もっと違いは分からなくなるはずです。
やはり、ただシンプルにSNSで共有するだけであれば、デジタル一眼レフはいらないですね。
次に、スクリーン越しで画質の議論をするので、縦横2倍ずつ拡大してみます。
スマホカメラの方は、だいぶノイズが目立ってきました。素人目で見ても、けっこうなブツブツが分かってくるのではないでしょうか。それでも、気にならない人は多そうです。SNSでもこの程度なら日常茶飯事です。
ここで終わらず、さらに縦横2倍ずつ拡大してみます。
こうやって拡大してみても色自体はかなり同じに見えるよう現像できることは、デジタル一眼レフにとって脅威だと思いました。スマートフォン、恐ろしや。
ただし・・・、やはり画質の差は大きいです。デジタル一眼レフの方は違和感なく見られますが、スマホカメラの方は・・・ノイズだらけで見られたものではありません。撮影素子の大きさが段違いなので、このようにノイズ差として顕著に出てきました。
ちなみにこの縦横4倍ずつの拡大は、今見ているスクリーン上で画像がほぼ等倍表示になるわけです。なるほど。ということは、ノイズをもとにした推奨度合いは以下のような形でしょうか。
結局何が言いたいかというと、SNSで共有するだけならやっぱりスマホで良いよと、そういうことですね。前回と比べてあまり主張内容に変化がありませんでした。でも、期待していたAdobe Photoshop Lightroomで色は揃えられてもノイズは全然防げないことは実証できました。収穫収穫。
以上、棚倉町シンボルキャラクター、たなちゃんの手作り人形を使ってお送りしましたー。
追伸:スマホカメラで撮った写真かどうか見破るための特徴として、ノイズ量の他に、周辺光量の不自然さ、反射光の不自然さ、白の表現不足、黒の表現不足あたりがあるかもしれません。作業していて感じた仮説です。