ビジネスやマーケティングの基礎スキルを学ぶためにオススメな本についてまとめてみます。一緒に働く人たちに何かを教えるとき、私は本を貸す事が多いのですが、それはつまるところ、良い本っていうのは自分で話すよりも説得力があるからです。第三者の視点ということで客観的に響くだけでなく、体系的に書かれていて、ストーリもしっかりしており、伝わりやすいですから使わない手はありません。ということで、ざっと見ていきましょう。
デザインセンスには自信がないけど見目良い資料は作りたいという人には、とりわけ必見の本です。すごくクリエイティブな資料を創る方法ではなく、フォントや色、余白、位置揃えなどを駆使して素敵な資料を作る方法を教えてくれます。
この本はどちらかというと、パワーポイントでシンプルなストーリーを構築するための小さなテクニック集というところです。文字が少なくなればなるほど、ストーリーはシンプルになり、プレゼンテーション自体もより論理的になっていく感覚が学べます。
この本は、ジョン・ケープルズの『Tested Advertising Methods』の邦訳本です。セールス用の資料においてどんな言葉を使うべきかという問いに対して、科学的な視点から判断するのに必須なナレッジをまとめています。この本は思うに、ビジネスパーソンにとって必読の書である一方で、ひとたび読んでしまうとネット広告で濫用されているコピーライティングの手法に飽きれる日々を過ごすことになるという意味で、禁断の書とも言えると思います。
この本は、かの有名なランチェスター戦略に付いて簡単に書いた本です。ランチェスター戦略は、弱者がかつための戦略、強者が勝つための戦略を分けて体系化したものです。この本が念頭においているのは中小企業であり、限られた分野にリソースを集中させる事の重要性を説いています。企業について語ってはいますが、同じ考え方は個人のビジネスパーソンのキャリア戦略にも非常に役立つものとなっており、その意味で読む事をお勧めします。
ビジネスパーソンにとって、納得感のある目標や課題を設定し、その達成のために努力して、他者から評価とフィードバックを受けるのは、なくてはならないものだと信じています。しかしながら、こういった重要な要素がうまくデザインされていないということは、職場ではよく起きます。そこでこの本の出番です。この本には、一般的な職場で考えたときにどう行動して成長するべきかが書いてあり、もしもどんな目標や課題を立てたらいいのか悩んでいるときには明確な指針となってくれるはずです。
もし自分の会社が従業員のキャリア成長に全く興味を持っておらず、あなたがその状況に飽き飽きしていたのだとしたら、この本はあなたにとって大きな起点となりえるかもしれません。この本の中では、役員による能動的な教育関与やモチベーションアップのアクションがいかに重要かという点をこれでもかとばかりに書き連ねています。
有名ブロガーであるちきりん氏の本です。マーケット感覚を獲得するための一番簡単な方法を書いてくれています。分かりやすい具体的な例でいっぱいなので、マーケティングについて全く知らなかったとしても、スムーズに読めてしまう本となっています。
この本では、商品を売るために消費者とどうコミュニケーションをとったら良いかという視点で、7つのマーケティングコミュニケーション手法を簡単に紹介してくれています。もしマーケティングコミュニケーションについてあまり詳しくないのであれば、最初に手に取る本としておすすめです。
この本はアートに関する本なので、「なんでマーケティングを学ぶ本なの?」と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれません。ここで言いたいのは、マーケティングはどこでも機能することができて、世界市場で偉大なアートを創るという村上氏の戦略は、マーケティングのアイディアの宝庫であるという点です。マーケティングを勉強してみたけど今の仕事でどう役に立てたらいいか分からない方がいたら、この本を読むと最高にモチベーションが上がると思います。
社内の長くて退屈で非効率な打ち合わせに飽き飽きしていたとしたら、この本がオススメです。自分の仕事全体を極限まで効果的かつ効率的にするために、打ち合わせの前中後で何をすべきかについて語ってくれています。
この本は、営業がとるべき良いアクションを悪いアクションと比較しつつ非常に具体的な例を並べて語っているわけですが、営業のみならず、社内の他の部署の人と働く全ての人たちにとって役に立つ事例集となっています。というのも、この本の本質は一緒に働く他者に対する配慮にあるからなんですよね。
この教科書はプレイヤーとマネージャーの理想的な仕事のスタイルがどう異なるかについて語ったうえで、いわゆるプレイングマネージャーはどんな組織においても望ましくないと注意喚起しています。代わりにマネージャーはプレイヤーに仕事を間変える事でマネージャーの役に専念すべきだと説いており、マネージャー必読の書であるだけでなく、プレイヤーがいかに上司から仕事を任されるべきかについても暗に指し示す内容となっています。
もし『問題』という言葉と『課題』という言葉の区別がついていないとしたら、ぜひともこの本を読んだ方がよいと思います。英語のproblemとobjectiveではかなり明確に分かれているのですが、日本語で問題と課題と言うときには度々誤用されがちです。この本ではこれら似た言葉をうまく区別し、課題設定から問題解決までの段取りを説明することで、ビジネスリーダーとしてのスキルを大幅に向上させるための本となっています。ちなみに私のイチオシです。
ここで挙げた本の中で一冊でもあなたの仕事のモチベーションを刺激するものがあったら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。