昨日を以て今年の最後の仕事が終わりました。たまたま夕日を撮る時間があったときに、今年フォトグラファーとして本当に成長したか自分に問いを投げかけてみました。
自分でもビックリなんですが、カメラ装備は去年の同じ時期と比べて全く変わっていないんですよね。現在のレンズはこの通り。
レンズ沼に嵌らずにいることは、ちょっとばかし誇りに思っていたりします。広角レンズ1つ、標準レンズ1つ、望遠レンズ1つ、マクロレンズ1つで、通常の撮影ニーズは満たせてしまうんですよね。つまり、言ってみれば道具の変わらない1年だったわけです。
とすると、撮影スタイルに変化はあったんでしょうか?
答えは間違いなくイエス。
2つの大きな変化をお伝えしたいと思います。
よく聞くのが、シャッタースピードは焦点距離の逆数以上にしなさい、という基準です。例えばフルサイズ50mmのレンズであれば、1/50秒です。たしかに普通に持っていると、手ブレが起きない限界はそれくらいに収まるんですよね。
結果、暗いところであればISO値を高くしないといけなくて、それは画質劣化につながります。でも手ブレするより遥かにマシかな、と信じていました。
それなりの写真がとれていたので、そう信じていたんですよね。
シャッタスピードをそれより遅くするなら、手ブレを防ぐために三脚を使えばいい。それで、それなりの写真が撮れていたんですよね。もちろん三脚を使ってダメな写真になるわけではないので、何も疑問に思っていませんでいた。
でも今年の秋のある日、ケント白石先生の驚愕の思考を見つけてしまったんです。先生は訓練して、1/10秒より遅いシャッタースピードでも手持ちで手ブレなしで撮ってしまうと。
自分の思考の中で、パラダイムシフトが起きましたね。
そのあと何度も挑戦して、どうやったら体を支えられるか、どうやったらカメラをがっしり支えられるかが分かりました。今は焦点距離の逆数の5~10倍程度であれば撮れるようになりましたね。フルサイズ50mmで、1/10秒~1/5秒です。
このおかげで三脚をそんなに使わなくても撮れるようになって、同じ時間の中で撮れる撮影ポジションの数が圧倒的に増えました。
フォトグラファーにとって最も重要なのは、撮るために"そこ"にいるということ。他のフォトグラファーが撮ったことの内容な写真を撮りたいなら、しかるべき時に、しかるべき装備を持って、しかるべき場所にいないといけないんです。
最高の1枚を撮る機会はどこにでも転がっています。とても大切なその時間を、三脚を広げたり閉じたりに使ってしまうのか。もちろんそれではダメ。三脚なしでも遅いシャッタースピードで撮れるように、スキルを磨かないといけません。
三脚なしのスローシャッター撮影は、間違いなく自分にとって今年一番の変化ですね。
これもやっぱり、とても効果的な新しい習慣ですね。どうしてこの設定で撮影するのか徹底的に考える、ということを始めました。
どうしてこの撮影ポジションなのか?
どうしてこのアングルなのか?
どうしてこの構図なのか?
どうしてこのF値なのか?
どうしてこのシャッタースピードなのか?
どうしてこのホワイトバランスなのか?
どうしてこのISO値なのか?
復習することも重要です。自分では考えて撮っているつもりでも、明文化していくと、考えてなかったところ、あまりロジカルな理由が持てていなかったところは意外と出てくるんですよね。PDCAサイクルを回すのに便利ですし、自分の撮影理論を具現化するも早くなりそうです。
それに加えて、どうやったらより綺麗に写真を見てもらえるのかを科学的視点から考えるようにもなりました。この習慣がよく分かるのは、画質劣化の記事しかり、今のブログデザインしかり、最近顕著に出てきました。このチャレンジは来年にかけても続いていくと思います。
三脚なしのスローシャッター撮影もロジカル撮影法も、来年1年をかけてどう進化していくのか楽しみです。それ以外に新しい成長要素がまた出てくるのも楽しみです。まだまだやることはたくさん、ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!