最新記事はこちら ⇒ End of TRIPLESSO ~トリプレッソの終売~(2022/12/01)
一時は商品棚から消えたと思われたトリプレッソは、チルドカップのみ、主に中規模スーパーで、200mlのスリム化を経てここ数年細々と販売されている。
かつて、大手コンビニを中心に、280mlというたっぷり容量かつ悪魔的な甘さと濃度で熱狂的なファンの支持を得ていたトリプレッソは、このブログで記事を出せなかった2019年~2020年春にかけても実は活発な動きを見せていた。
ここで幣ブログ記事を見ながら歴史を振り返りつつ、最新のトリプレッソ状況を確認してみよう。
最初にトリプレッソについて記事を書いたのは、2017年の4月。ちょうど3年前である。
今までセブンイレブンやファミリーマートなどの大手コンビニでコーヒーのチルドカップとして販売されていたトリプレッソが、突如として棚から消えたことに私は気付いた。
公式ウェブサイトには、トリプレッソのボトルコーヒー、インスタントコーヒー、スティックの3カテゴリについて2017年2月下旬を以て製造終了する旨が告知された。さらに、ウェブサイトからトリプレッソの商品ページも消えた。ただし、製造終了告知の中になぜかチルドカップの製造終了が明記されていなかったというのが、後の伏線である。
こんなに次作を早く書くことになるとは思わなかった。前回記事から1月足らずの2017年5月である。
パッケージデザインの変更と、200mlへの少量化、そして大手コンビニではなく中規模スーパーと舞台を変えて、トリプレッソが戻ってきたのだ。この時点で、製造終了告知の中にチルドカップが明記されていなかった理由が明らかになった。告知漏れではなく、実は製造が継続するという隠れたメッセージだったのだ。
ここでは、このパッケージを下部の光る岩石感?をリスペクトして『ジュエリーデザイン』と呼びたい。
なお、このトリプレッソがどこに売っているかの調査は混迷を極めた。なにより、今でそ中規模スーパーと書いてはいるが、この時点でどこに売っているのか私には知る由もなかったし、公式情報は商品ページ自体が削除されたままで広報機能は皆無である。地道に、足で探すしかなかった。
私の主な行動範囲である神奈川・東京エリアで一度でもトリプレッソを見つけられたのは、
三和、サミットストア、ワイズマート、ライフ、ドン・キホーテ、文化堂、成城石井、NewDays
といった店舗である。
また、SNSでの報告を鑑みるに、全国の中規模スーパー、ドラッグストアで購入できるという実態も分かった。私自身は確認できていないが、トリプレッソ扱いがあると思われる他の店舗として
イズミヤ、スーパーバリュー、マックスバリュー、ウエルシア
を追加したい。ただし、これらチェーン店でもトリプレッソの扱いがある場合とない場合、また扱いをやめた店舗もあり、引き続き不安定な状況であることは否めない。
再販から1年ほどの時を経て、チルドカップのデザインが変更された。もともとの『ジュエリーデザイン』に対してだいぶフラットになったので、『フラットデザイン』と命名することにしたい。
遠目で何の味か区別がつくようになったが、トリプレッソブランドとしての統一感は髭以外に認知しづらくなってしまったかもしれない。
パッケージがフラットデザインに変わってから約半年で、今度はマイナーチェンジが行われた。赤色のマフラーが付くことで、味が違ってパッケージ色が違っても、遠目で同じブランドだと認識できる感が強まった。このデザインは『マフラーデザイン』と呼びたい。
※ただしこのデザインは数か月ほどで消え、前の『フラットデザイン』に戻ることになる。
トリプレッソが赤マフラーの新パッケージをお披露目しました!【2018年10月】
『マフラーデザイン』を見なくなってから数か月経ち、なんと新味が登場した。キャラメル味である。商品名としては、TRIPLESSO Caramel Caffe Latte、トリプレッソ・キャラメル・カフェラテであろうか。もともと期間限定品がたびたび出ていたトリプレッソだが、相当の久しぶり感を感じた。
個人的には、やはり定番のクリーミーの方が好きだった。
キャラメル味の2か月後にまた新味を見た。カフェモカ味である。商品名は、TRIPLESSO Caffe Mocha、トリプレッソ・カフェモカであろう。
トリプレッソというより濃いチョコレートを飲んでいるような感じで、チョコレート好きにはウケがよいのであろうが、個人的にはやはりクリーミーがナンバーワンだった。
新味の展開が忙しい。新商品開発の予算が下りるぐらいには、トリプレッソの人気が復活しているのだろうか。
個人的にはベストな投資とは思えなかった 新味展開が収まりを見せたかと思いきや、ここで奇跡が起きた。長らく200mlだったトリプレッソが、240mlに返り咲いたのである。
もともとの280mlには及ばないが、量と甘さのダブルパンチが持ち味だったトリプレッソが原点回帰を始めた感がある。
ただし、2020年4月現在、トリプレッソを扱う店舗の中でも、この240mlを扱う店舗と200mlを引き続き扱う店舗が入り乱れている状況を認識しており、この増量が既定路線になるのか期間限定施策に留まるのかは注視が必要である。
味の素AGFの販売するトリプレッソは、マーケティング的にも非常に興味深い状況となっている。
大手コンビニ、イオン系列やセブン系列などの流通大手での扱いが実質的に存在しないことを鑑みるに、競争の激しい大規模チャネルの棚の取り合い合戦から降りて独自の収益化を目指しているのかもしれない。
パッケージリニューアルや新味開発は定期的に行っているため、おそらくマーケティング予算がないわけではない。ただし、投資先をプロダクトに特化させ、プロモーションを捨て、プレイスとしてはプロダクト一本槍でも扱ってくれる中規模スーパーにプライスを委ねて安定発注をもらっているのが実情ではないかと推測している。
ただ、公式ウェブサイトが広報情報を一切発信しないばかりか商品名すら載せないのは、ネット時代のBtoCビジネスとしては他の追随を許さない異様さがある。ある種のデ・マーケティング感すら感じさせる。
この状況から、SNSを中心とした評判拡散で販売数の大幅増・・・という展開は今のところ見られない。今でも引き続きトリプレッソ復活に気付く声やトリプレッソを愛飲する声はお世辞抜きに多数見られるが、あくまで限られたファン層のみである。
今でも「トリプレッソ復活してほしい…」,「トリプレッソない…」と呟く声が散見されることは、
から、そもそもトリプレッソの存在がファン層にすら届いていない状況を示唆している。このままで、トリプレッソはかつての栄光を取り戻すことはできるのか。今後も、動向を注視したい。
追伸:Covid-19(新型コロナウイルス)で外出を控えたいがトリプレッソを家で楽しみたい人向けには、楽天市場で箱買い(12本)が可能なので是非検討されたい。