最新記事はこちら ⇒ End of TRIPLESSO ~トリプレッソの終売~(2022/12/01)
※本画像は味の素ゼネラルフーズ公式ウェブサイトより引用。
トリプレッソ(TRIPLESSO)は、味の素ゼネラルフーズ株式会社(2017年7月に味の素AGF株式会社に社名変更予定)が製造して販売するコーヒー製品の商標である。これはエスプレッソを3倍濃縮するという同製品の特徴を反映した造語である。
2013年4月1日発売。当初は海外の企業がトリプレッソの商標を保有しており、味の素ゼネラルフーズ社はライセンスを受けて使用していたが、2016年10月31日に親会社である味の素社が同商標の買い取りに成功し、味の素グループにおける自由なブランド戦略の展開が可能になっていた。
チルドカップコーヒー、ボトルコーヒー、インスタントコーヒー、スティックの4カテゴリでブランド展開していたが、なかでも全国のコンビニエンスストアで取り扱われたチルドカップコーヒーは、黒い髭と太い黒文字によるパッケージインパクト、トリプレッソという明快なネーミングと語呂の良さ、そして何より濃厚なコーヒーと甘いミルクの絶妙なバランスにより、とりあえず手に取った一般人を狂信的な信者に変えるほどの魔性を持ち合わせていたそうだ。
トリプレッソの魅力に堕ちた老若男女たちは、他のコーヒーの薄さに辟易し、「喫茶店の入れたてコーヒーよりもトリプレッソチルドの方が旨い」という主張を展開するようになり、朝も昼も夜も、飲みたいときに最寄りのコンビニエンスストアを訪れては黒髭マークをサッと手に取ってレジに並ぶ日々を過ごしていたと思われる。
トリプレッソというワードをネットで検索して他のカテゴリに気付き、ボトルコーヒーを買い、インスタントコーヒーを買い、少しお高い牛乳と混ぜて高級ラテ感を演出してみたり、豆乳と混ぜて破壊的に濃厚な豆乳ラテを楽しんでみたり、規定量より遥かに多いインスタントの粉をミルクに投入して麻薬のようなドリンクを創造してエンジョイしていたに違いない。
・・・
味の素ゼネラルフーズ社は、トリプレッソのボトルコーヒー、インスタントコーヒー、スティックの3カテゴリについて2017年2月下旬を以て製造終了する旨を公式ウェブサイトにて告知した。
この中に、「なぜチルドカップが掲載されていないのか?」という一抹の疑問は残るものの、これはトリプレッソというコーヒーブランドが世の中から消えるかもしれないという危機的な可能性を呈示している。
セブンイレブンでも、ファミリーマートでも、ローソンでも、近くのコンビニエンスストアを片っ端から訪れても、見つからない。もう1ヶ月ほど見ていない。2017年3月28日、同社が展開するカフェラトリーブランドのチルドカップが発売開始をされてから、トリプレッソを商品棚に見る日は無くなった。
Twitterでトリプレッソと検索をすると、阿鼻叫喚のツイート達を確認できる。私は、他ブランドに比べても、中毒的にトリプレッソしか購買しない消費者が多かったのではという仮説を持っている。あまりにも顕著な事象であるため、ここで個々人のツイートを無粋に引用することは避けることにする。
悲観に暮れるしかないTwitterのトリプレッソ購買層を見ていると、一人のAGFファンとしては悲しい行動パターンが想起される。恐らく・・・ラテベースへのブランドスイッチが起きている。カフェラトリーでは、トリプレッソの代替ができていない可能性が高い。
・・・
今、トリプレッソはコンビニエンスストアで買えない状況は続いている。そこで私は、Amazon社を始めとした通販各社に残っていた在庫を探して発注した。満を持して我が家に届いた商品の画像を掲載したい。
インスタントコーヒー(袋)×15
インスタントコーヒー(瓶)×5
チルドカップ×12
これだけあれば、もう少しだけトリプレッソライフを楽しむことができる。その間に望むことは・・・
・・・
拝啓
味の素ゼネラルフーヅ株式会社 御中
トリプレッソは、世界に誇れるコーヒーブランドです。
トリプレッソを、コンビニエンスストアで再び見られる日を、
辛抱強く、お待ちしております。
2017年4月29日
一人のトリプレッソファンより
後日談