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フォトグラフィー
2016/05/22

なぜフォトグラフィーを始めたのかを振り返ってみた - サイエンスとアートと空への執着

未来の自分へ

 

前略、壁にぶち当たってます。

どうにも整理がつかないので、なぜフォトグラフィーを始めたのか、自分の原点を振り返り、今思うことを書き連ねてみようと思います。

 

端的に言うと、「サイエンスでは割り切れないアートの領域を見極めたい」、という自身の思いが始まりでした。計算づくでは計算しきれない世界、ロジカルな物言いを超えて人を動かす可能性のあるアートの領域を探求したいという思いです。

理詰めで考えて行動する癖のついていた自分にとって、いわゆるアートは門外漢。実は避けて通ってきた分野です。学生の頃も、ゼロから創り出す芸術は大の苦手でした。

でも、技術が大きく進歩して、世界が力づくで計算できるようになって強烈に自動化されていく今後を見据えたとき、アートの素養がないことの弱さが見えてしまったわけです。計算しきれない何かと言う意味で、私はアートに期待していたんだと思います。

 

全くの門外漢であるアートの訓練をする上で一番重要だと思ったのが、継続するモチベーション構造です。とにかく続けないといけない。考えて、試して、考えて、試して、とにかく試行錯誤を続けて一歩一歩進まないといけない。

これが今まで自分のやってきたやり方なわけで、サイエンスとは全く違うアートの分野でも、このやり方は変わらなかったです。

 

アートの分野が多くある中で選んだのが、フォトグラフィー。さて、なぜか。

第一に、経済性。イニシャルである程度投資すれば、いくら研鑽を積んでもランニングコストがほとんどかからないため、最初に思い切ってカメラを買ってしまえば続けることの経済的負担はないも同然です。

第二に、日常性。写真というのは至るところで撮ることができます。カメラさえ持ち歩いていれば、たとえ都会のど真ん中で仕事をしていたって写真を撮ることが できます。休みのときのヒトコマも撮影することができます。腰を据えて取り組むアートではなく、日常に溶け込ませることのできるアート。この日常性は大きなメリットでした。

第三に、汎用性。フォトグラフィーの技術を持っていれば、色々なところで役立ちます。人の笑顔を収めることもできるし、好きなものを宣伝することもできます。生活の彩りが豊かになります。

結局のところ、取り組み始めた当初のことを振り返ってみると、フォトグラフィーを始めた理由は「都合がよかったから」というのが一番だったわけです。アート のこと、フォトグラフィーのことを深くも考えず、フォトグラフィーを続けていく中で、アートとは何かの糸口が見えればいいと思っていたわけです。

 

・・・と、なんだか合理的な風に結論づけてしまうのが私の悪い癖ですね。確かに当初、そんなことも考えていたんでしょうけど、どちらかというと、高価な買い物をする自分を正当化しようとする後づけの理由だったはずです。

たぶん、本当の理由は空でしょう。

千変万化の雄大な空を追い求め、冒険がしたかったんだと思います。開けた土地で、ずっと続く空。いろんな表情を見せる空が、小さいころからとにかく好きだったんです。高校生のときに初めて買った携帯電話で、初めて空の写真を撮ったときは、本当に感動しましたね。

 

なんで、そんなに空に執着していたのか。

それはたぶん、心のふるさとの風景と重ねていたからなんだと思います。自分のルーツである新潟、黒埼町は、地平線まで田畑が続く田園風景が広がっていました。それに似た風景を、この大都会で無意識に追い求めていようとして、空に執着していたんだと思います。

市街地が続き、空を遮る無数の建物が立ち並ぶ大都会の中にあって、心のふるさとに思いを馳せ、雄大な空を垣間見ようともがくのが、那須野拓実のフォトグラフィーの原点なんです。

原点に立ち戻れた今、サイエンスに寄り添うアートとしてのフォトグラフィーに、ようやく対峙できるような気がしました。

続きは、また今度。

 

Sunset over Paddy Fields of Niigata

2016年5月4日 新潟県旧黒崎町にて撮影

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ブログ著者について
那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援する人。ネイチャーフォト中心の多言語ブログを書いてます。本業はIT&マーケティング界隈でナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋。半年間の育休明けで、家事育児と外働きのバランスを模索中。