ソリューション営業の戦術の本質について考察してみたのでまとめてみました。他の業界でも、ソリューション営業であれば共通な部分も多いと思います。
この投稿では戦術という言葉を使っていますが、それはここで言う要素は短期的な目線で最も有効な考え方だからで、長期的な目線ではもっと有効なものがあるはずだからです。つまるところ戦略ですね。ということで、戦術の4要素をざっくりしたイメージに描いてから確認します。
チームビルディングの側面は、チームの構成メンバーとして同僚や上司を含むだけでなく、クライアントまでを含んで考えるという意味で非常に重要です。自分のクライアントをチームメンバー、つまり同じ目標に向かって努力する仲間と捉え、自分の上司に接するように恊働するという視点が必須です。
もちろんそれが意味することは、チームメンバー全員が同じ目標に向かってストレスなく働けるように、チームメンバーのスキルや経験、価値観、モチベーションを一人ずつ理解することであり、つまりはクライアントのことも同じように理解しようということです。そしてそのチームの中心に自分がいるというイメージが大切です。
ビジネスの相談においては、クライアントが論点を提示することが多く、パートナー企業はまじめに盲目的に従うこともあるかと思います。それは簡単で、やっていると頑張っている自分を感じられて気分は良くなるものですが、実際はそんな単純にはいきません。むしろ、クライアントが提示した論点を解釈して再構成(場合によっては追加や削除)を自分自身の視点で行うべきです。その理由は以下の通り。
全うなビジネスは、顧客満足を目指します。そして一番重要な点は、顧客が満足するのは期待値を結果が超えたときだけだということです。ということは、自分が本当にやらべきことは、適切なレベルの期待値を設定する、つまりサービスプロバイダーとしての自分が少し超えられるような期待値を設定するということです。
でも注意は必要です。もし期待値を上げすぎたら、期待に見合うような価値を提供するために重労働に身を投じざるを得ません。結果として失敗に終わったり、サプライヤーを消耗させてしまいます。また、期待値を低くしすぎたら、クライアントと一緒に仕事はできないでしょう。期待値をコントロールするという意識が必要です。
企業では通常、標準の運用があって標準の成果物があって、そんな中で自分はそのための標準ルールに従うことが期待されます。ポイントとなるのは、ルールの中で仕事をしているだけだとソリューション営業にクリティカルな顧客志向の考え方を持てない点にあります。もし自分がクライアント側に立って、クライアントと一緒に議論をすれば、ルールから外れる必要を感じることがあるはずです。そこで重要なのは、組織の中でルールから外れることが何を意味するか考えることです。
企業では通常、標準ルールから外れることはリスクを伴うものと見なされます。もし自分がルールから外れることでクライアントに大きな価値を提供できると強く思えるとき、やるべきことは、クライアントに大きな価値を提供するためにリスクをとる意思決定を組織にさせるということです。なぜなら、ルールの下で自分は権限を持っていなくても、自分の組織、というよりも自分の上司はその権限を持っているものだからです。
企業が標準ルールを設定するのは、ふさわしい人にふさわしい権限を与えることが目的です。決して「禁止」ではありません。もし自分が権限を持っていないのなら、自分の周りの誰かが権限を持っています。相談というのは、そうやって機能するものです。
ソリューション営業ビジネスで大きな仕事を創り、マネジメントするために、顧客志向の考え方は一番重要なものだと信じています。きっとまだまだ甘い考え方なんだろうなと思いながら、とりあえず書いてみました。近い将来、ここに書いたものを書き換えたくなるような、もっと進化した考え方を持てるようになりたいです。