今年の夏も、新潟に帰ってきました。
帰ってきた先は、今でこそ新潟市の西区という、とても都会そうな名前を頂戴していますが、昔は西蒲原郡黒埼町という畑と田んぼしかない町でした。いや、名前は変わっても実際のところ、田舎加減は全く変わらないですね。
今年は久しぶりに、家の近くにある酒蔵さんを見学させていただくことになりました。名前は塩川酒造。世界で戦える日本酒を創ろうと日々尽力されている酒蔵です。
数年前に伺ったときは、FISHERMANという赤いボトルに入った最高級にフルーティな日本酒を楽しませていただきました。今まで飲んだことのないほどの果物感、甘さ、口どけの良さ、ただただ衝撃でした。海外女性に大人気というのも頷けます。ワインと並べて売ってもらえる日本酒でなければ、世界ではまともに戦えない。そういう思いから生まれたお酒です。兄弟酒にCOWBOYという辛口のお酒もあります。両方ともおすすめ。
その後、自分でも何度か購入しつつ、友人にも宣伝してけっこう買ってもらっていました。笑
さて、その時以来の訪問なわけですが、この度はいかに・・・
・・・!!!
品数が増えている!!?
なんと、あのFISHERMAN SOKUJOに、アルコール度数19度の原酒が加わっているではありませんか!名前は、FISHERMAN SOKUJO DEEP。これは、必買だっ!(試飲前に購入を打診しました。笑)
そのあと、試飲ということで並べてもらうことに。
FISHERMAN SOKUJO DEEPですが、従来のFISHERMAN SOKUJOをそのまま濃厚にしたような味わい。もともと、お酒の弱い人でもスルッと飲めてしまう感じのお酒でしたが、フルーティ感はそのままに、じわっと重く来る感じがしますね。お酒がある程度飲める方は、こちらが絶対おすすめ。こちらを飲むと、従来のFISHERMAN SOKUJOが物足りなく感じてしまうかも・・・
さて、FISHERMANの話ばかりしていましたが、上の写真、右端のボトルが気になる方も多いと思います・・・
この、日本酒らしからぬ白いボトル!
これが塩川酒造、渾身の新作 『SHISUI(シスイ)』!
なんと・・・色が赤紫なんです!!
手に持ってみると、こんな感じです。日本語名は紫酔、まるで赤ワイン。
飲んでみると・・・、これは!??
甘くて酸味が強くて、飲んだ瞬間はそんなにアルコール感がなく、すっと入ってしまうんですが、あとからじわじわ強く来ますね。雑味が全くないけど、フルーティ。ワインで悪酔いしてしまう人でも、これならすっきり楽しめそうです。
もはや、日本酒というカテゴリーに、真っ向から勝負にかかっています。
社氏さんのお話によると、今、日本酒業界は、精米競争が激化しているんだそうです。日本酒と言えば、50%精米、40%精米、35%精米など、削れば削るほど雑味がなくなり、より高級感のあるお酒になるため、最近は10%精米だったり、一桁精米だったりも登場しているのだとか。米の9割以上が削られて使われないなんて、ちょっと衝撃です。
ただ、この精米競争は終わりが見えています。削って削って差別化、というのは物理的にも限界なんです。そろそろ精米競争ではなく、醸造技術での差別化の時代が戻ってくると、社氏さんはおっしゃっていました。
その王道を行くのがこのSHISUI。なんと、精米しないお米を使っているんです・・・(!)そして、ただ普通のお米を精米していないというだけではなく、とある特別なお米を採用しているとのこと。
それが、古代米!!
古代米と言えば、米の表面に色がついているお米として有名です。ただ、ちょっとお高いのですよね。
このSHISUIでは、ポリフェノールを多く含む紫黒米ブランド、十六夜を使い、精米せずに、最高級の醸造技術で味をコントロール、雑味のない新ジャンルの日本酒を完成させています。
海外で日本酒が戦ううえでは、健康維持に関する課題が大きなハードルだったとのこと。ポリフェノールたっぷりのワインと比べれば、栄養素信仰の強い外国人にとってはただの美味しくてすっきりしたお酒。これではなかなか手に取ってもらえません。
このSHISUIなら、味は申し分ないうえ、ポリフェノールによる健康効果も期待できます。赤のSHISUI、白の甘口でFISHERMAN、辛口のCOWBOY。この3つが揃った今、本格的に、世界で戦っていけます。
・・・とはいうものの、SHISUIも、FISHERMAN SOKUJO DEEPも、まだそんなに宣伝はしていないとのこと。8/22時点で公式ウェブサイトにも載っていないですし、まだ酒屋さんにもそんなに卸していないとのこと。まず、日本で売れるようになって、それでもって海外で売れるようになりたい、とのことでした。私も宣伝します!
みなさんも是非、チャレンジを!!!
以下、見学の時の写真です。
※お米を蒸したりする場所
※お酒を保管しておくタンク。
※麹とか酵母菌とかいろいろ処理する場所・・・?
※建物は地区100年以上・・・(!)
※上からタンクが見えます。
※お酒をしぼる、最新の機械。