今日はいいきっかけがあったので、フォトグラフィーと地域おこしの関係に関して普段考えていることを改めて言葉にしてみます。
フォトグラファーは、自ら撮った写真を通じて人の意識と行動を変容させる点においてアーティストたりうるし、もしそれを意図的に設計して取り組もうとしたら、非常にマーケター的な存在になると思っています。
そして、マーケター的な存在としてのフォトグラファーを最高にカッコいいレベルまで引き上げるとしたら、1つの方向性として『風景を創造して人を動かす』という域に達するはず。つまりは観光地作りであり、事業創造でもあります。
ここで、ケント白石先生の8月4日のブログを見てみましょう。
※スクリーンショットはKent Shiraishi Photo Blogより引用。
ただ暗いだけなら、何も見えない訳ですから、わざわざ「ひまわり畑」で花火大会をする意味がありません。しかもどこの町でも、それこそ美瑛町でも、その程度の花火大会はしています。しかし、地上の「ひまわり畑」をライトアップしながら、空でも「花火のひまわり」が見れるとなると…。これは世界でも、そうそう見れないでしょう。つまり、北竜町を世界に売り込めるようになるのです。(Kent Shiraishi Photo Blogより引用)
先日、北海道の北竜町で行われた花火大会に関与されたようです。もちろん色彩センス抜群の写真を撮影されていました。写真をご覧になりたい方は、ぜひケント白石先生のブログをご確認ください。
ひまわり畑に、ライトアップと花火を組み合わせ、世界でも希有な風景を創り出してしまっていました。これを見たいがために北竜町を訪れる人は必ず出てくるはず。そう思うクオリティ。
・・・誤解のないよう書いておくと、もちろんこのイベントはケント白石先生一人の力ではないです。ひまわり畑のオーナー、ライトアップ業者、花火業者に加え、行政関係者、多数の町民の協力があって初めて実現できるものです。
何が言いたいかというと、厳密な色彩感覚、グローバルでのマーケット感覚、世界レベルでの発信力があるフォトグラファーは、こういった地域おこしの取り組みをリードできるポテンシャルがあるという点です。
ケント白石先生も、町興しという言葉を使ってこう述べています。
ただ自分の金儲けを考えるだけなら、あるいは自分のためだけに写真を撮るなら、写真家の人生としてはつまらないと思います。誰もが簡単に出来ない事をしましょう。
例えば、自分の住んでいる街やふるさとの、「町興し」に役立って下さい!もしあなたが本当に実力のある写真家なら、必ず町興しの一助になれるはずです。僕はいつも自分を信じています。「俺は出来る!I can.」(Kent Shiraishi Photo Blogより引用)
やっぱりカッコいいですね。
信念を持って、覚悟を持ち、独自の視点でフォトグラフィーと対峙する人間でありたいと思います。
ひまわりのライトアップの類似ジャンルといったら、最近だと南沢あじさい山のこの1枚ですね。流石にここで花火は打ち上げられないですけども、南沢あじさい山は非常に独特な地形にアジサイが群生しています。もう少し工夫すればここでしか見られない風景が創り出せるはずです。(他写真はこちらを参照)
今はシーズンオフ。今年は新体制での運営に精一杯でしたが、来年に向けて、やれることがいっぱいです!