一人十郷 - Takumi Nasuno Photography
フォトグラフィー
2018/06/09
【一眼レフ不要論】フルサイズミラーレスカメラが、デジタル一眼レフを実用の外に追いやりかねない件【キヤノン頑張れ!】

すごく悲しいタイトルですが、かつてデジタルカメラがフィルムカメラを駆逐していったように、今度はフルサイズミラーレスカメラがデジタル一眼レフカメラを駆逐する世界がすぐそこだと思っているので、大好きなキヤノン社にもっと頑張ってほしいと思って書くことにしました。

 

※スマホカメラにて撮影。スマホでもこれぐらいなら余裕で撮れてしまうのが昨今のカメラ戦国時代の模様です。

 

なお、ミラーレス関連の用語はところによって定義がブレているようなので、ここで簡単に「コンパクトデジタルカメラ」,「デジタル一眼レフカメラ」,「ミラーレスカメラ」,「デジタル一眼レフカメラ」の言葉をおさらいしてから書き始めたいと思います。

 

コンパクトデジタルカメラ

レンズ交換ができないデジタルカメラ。一眼レフやミラーレスに比べて小さくて軽くて価格も安い傾向にある。「コンデジ」と略して呼ばれることが多い。撮影素子は 1/2.3型や1/1.7型、1型などの小さいものが主流のため、画質が悪いと思われがちだが、最近はAPS-Cやフルサイズを使った高級コンデジが登場するようになり、他カメラとの境界線が曖昧になってきている。

 

デジタル一眼レフカメラ

レンズ交換可能なデジタルカメラの元祖。内部にある反射鏡(レフレックス)に反射された像を光学式ファインダー越しに見る構造のため、一眼レフという文字が付いている。撮影素子の大きさによってAPS-C、フルサイズ、大判に分かれ、順に撮影素子が大きくなり、より多くの光を集めるために画質がよくなっていく。「一眼レフ」,「デジイチ」などと呼ばれる。

 

ミラーレスカメラ

反射鏡のないレンズ交換可能なデジタルカメラ。電子ビューファインダーでデジタルに処理された像を見る構造になっており、反射鏡がないので「ミラーレス」または「ノンレフレックス」と呼ばれる。開発当初はAPS-C、フォーサーズなど比較的小さい撮影素子が中心で、画質はデジタル一眼レフの下に見られることが多かったが、2013年にフルサイズが登場したことにより画質には差がなくなっている。「ミラーレス一眼」と呼ばれることもある。

 

デジタル一眼カメラ

一眼レフとミラーレスに差がなくなった現在、両者をまとめて呼ぶ総称として「デジタル一眼カメラ」なる言葉が使われている。どちらかというと、ミラーレスのマーケットを広げたいソニー社が、「レフ」はないけど「一眼」という言葉を入れて言葉響きをよくするために使い始めたような気がするが、今となっては立派なイチジャンルとなった印象。(でも文字通り受け取るとコンデジも含む気がするんだけどなぁ)

 

 

では、本題

 

どうしてフルサイズミラーレスがデジタル一眼レフを駆逐する世界がすぐすこなのか?

デジタル一眼カメラ市場の現状はCamera Industry Facts 2009-2016が示すように下降気味です。中央上にある円グラフが毎年徐々に縮小していることからも分かるように、ここ3年で70%に縮んでいます。

 

※画像はLensvidより引用。

 

この流れの背景には全世界に広がったスマホカメラがあるわけで、年々進化してきたスマホカメラの画質は恐れおののくに足るものとなっています。ハードの撮影素子こそ小さいもののの、ソフト側の画像処理は劇的に進化し、見目麗しい写真が出てくるようになりました。もちろんSNSなどの各種オンラインサービスとの連携は秀逸の一言です。

スマホカメラで撮った写真はスマホの小さい画面で見るのがほとんどなのでユーザーにとって超高画質は実質不要となっており、一般ユースとしてはスマホカメラで十分というのが本音です。普通の人は、一眼レフより軽いミラーレスより遥かに軽いスマホだけを持ち歩いたほうが、遥かに幸せになれます。ある意味悲しいです。

このあたりの話は以下の過去記事もどうぞ。

 

そんな中、それでも以前なら「画質を追い求めるなら一眼レフ!」と自信満々に言っていられたわけですが、そういう詭弁が通じたのは主流ミラーレスがフォーサーズ、APS-Cしかなく、フルサイズが一眼レフの独壇場だった昔の話です。

 

2018年2月、ソニー社が α7 Ⅲ を発表しました。

遡ってみれば、世界初のフルサイズミラーレス α7R が発売されたのは5年前の2013年3月。様々な点でプロユースには程遠い機体でしたが、ユーザーたちの叱咤激励を受け取りながら2015年の α7R Ⅱ、2017年の α7R Ⅲ と進化。圧倒的高画質を突き進む α7R Ⅲ の一方で、圧倒的スピードを追い求めた α9 が同時期にリリース。プロ御用達の機体になっています。(このあたりはケント白石先生の記事に詳しい)

そして今回の α7 Ⅲ は、αシリーズの進化で得たものを思う存分活かしながら、プロ向け機能を省くことでお安くお買い求めできるようになって登場したわけです。案の定、CP+2018では α7 Ⅲ に長蛇の列。ソニーの一人勝ちだったといっても過言ではなく、時代の転換点だと感じました。

(ちなみに上述のCamera Industry Facts 2009-2016を改めて見ると、70%に縮むデジタル一眼市場の中は、63%に激減するデジタル一眼レフに対して、ミラーレス単体は110%の微増だったりします。これは α7R Ⅲ が出る前の2016年時点のシェアなので、今はもっと顕著になっているでしょう。)

 

ミラーレスが当初苦手とされたバッテリー問題や電子ファインダーのラグ問題が解消され、量産化のなかで値段を下げてきたのだから、実用的に決まってます。ミラーレスがゆえのメリットとして際立つのがこちら。

  1. とにかく軽い。(αシリーズは軒並み 500g 台後半で、フルサイズ一眼レフの最軽量を謳うCANON EOS 6D の 680g より遥かに軽い。)
  2. 電子ビューファインダーのため、どう写真として出来上がるかを確認しながら撮影ができる。あと太陽も直視できる。
  3. 反射鏡がないため、反射鏡を上げる一眼レフ独特のシャッター音や振動をなくした無音撮影ができ、かつ連射スピードを高速化できる。
  4. デジタル処理の割合が大きいため、将来的なAndroid搭載(スマートカメラ化)のポテンシャルが高い。カメラで撮影したものを内蔵Lightroomで現像して即座に内臓Instagramでアップするとかいう世界が近い。

撮影山行含めてネイチャーフォトを撮ることを考えると、軽いというのは圧倒的な正義です。あと、太陽を直視できるのは、こんな太陽写真が好きな人にとっては強烈なメリットです。こんな写真が撮り放題です。

 

 

そうすると、もはや一眼レフのメリットは、歴史のなせる豊富なレンズ資産群のみ・・・それに関して開拓者であるソニー社は、フルサイズミラーレス用のレンズ資産を数年かけて積み上げてきました。レンズ資産の差も縮まりつつあります。これが、今後起こるであろう、フルサイズミラーレスがデジタル一眼レフを駆逐する世界の中身です。なんということでしょう・・・

話変わって、今も「フィルムカメラには独特の味がある」と主張する人はいますが、ミラーレスが主流になったら「デジタル一眼レフには独特の味がある」と主張して使い続ける人が出てくるとは思います。なんだか、レコードやCDと似たものを感じますね・・・苦笑

 

キヤノン社が今年お披露目したミラーレスは残念ながらAPS-Cでした。ソニー社がハイエンドのフルサイズミラーレスを進化させ続けてきたのに対し、入門向けの EOS M5 だけを出して満足しているとしたら、ちょっとどころではない悲しみを覚えるところです。

いまだにフルサイズミラーレスカメラに関して公式の発表がないわけですが、Canon Rumorsのこの記事とかこの記事を見るに、少なくとも2台のフルサイズミラーレスの試作機があること、フォトグラファーらと頻繁に意見交換を交わしていること、2018年9月に何らかの発表があること、などが書かれています。

フルサイズミラーレスの構造的に、一眼レフのEFマウントを引き継ぐ可能性は非常に低いかと思います。でもキヤノンのカメラが選ばれているのはやはり、白レンズを中心とした豊富なレンズ資産なわけなので、アダプター含めて良いソリューションを提供してほしいものです。

 

キヤノンのフルサイズミラーレス初号機がどこまでの完成度になるか・・・

個人的にはキヤノンが大好きなので、実用に足るボディとレンズを出していただいた暁には、ぜひとも購入したいと考えています。(それまでは、ちょっと買い控えかなぁ・・・苦笑)

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