一人十郷 - Takumi Nasuno Photography
フォトグラフィー
2018/05/20
山写さんが先日投稿したnoteに触発されたので、日帰りの撮影山行で気を付けていることをまとめてみました

限られた時間、限られたお金、そして限られた体力を、どこに投資するか。最高の一枚を求めて自分の命を暗に天秤にかけて、うまくリスクをコントロールし、全体のバランスをとり続けるスキルが必要な撮影山行は、ビジネスパーソンとして超重要なスキルそのものであるように感じるので、今後も切磋琢磨していきたいと思います。

 

 

山写さんが先日投稿したnoteに触発されたので、日帰りの撮影山行で気を付けていることをまとめてみました。

私は日帰り登山中心なので、「エベレストもマカルーもモンブランも登ったことない私が登山について書いていいんかなぁ・・・」みたいな謎の圧迫感を勝手に感じたのは笑い話のような事実ですが、公開するつもりで自分の経験をこうやって振り返り、言葉として真摯にまとめる作業が、べき論の再確認含めて自分のために非常に勉強になったので、ここに掲載しておきたいと思います。

改めて振り返ったら心なしか一般論ばかりが並ぶ記事になった気はしますが、体力バカが書いた文章である点を差し引いてお読みいただきつつ、自己責任で臨む撮影山行の気付きに繋がれば幸いです。

 

目次

1.撮影欲と安全を天秤にかけ続ける。

2.荷物は最小限に。レンズ、三脚は都度検討。

3.最悪の場合に一晩越す準備をしておく。

4.複数人の場合、有事の対応を考えておく。

5.高難易度の登山では、必ず熟練者と臨む。

6.でも結局最後は筋トレが正義。

 

 

1.撮影欲と安全を天秤にかけ続ける。

撮影山行の要は、普段であれば全くセーブをかけなくてもよい『撮影欲』を自らコントロールして、常に周囲に注意を払いながら自らの安全と天秤にかけ続けて、場合によっては安全を優先して撮影をあきらめる覚悟を持つことだと思っています。

普段の撮影だと、綺麗な景色がずっと続いていたから我を忘れて撮り続けていたとか、なかなか思うような1枚が撮れずに試行錯誤していたら日が暮れかかっていたとかは笑い話で済みますが、撮影山行では大きなリスクになります。なので余計なトラブルが起きないよう、自制心を持つことが大切だと思っています。

とはいえ『言うは易く行うは難し』の典型なので、バランスをとるのは一筋縄ではいきません。極論、1分でも長く撮影したほうがきっとよい写真はたくさん撮れそうな気がするものなわけでして、これは大丈夫だと思いつつリスクを取り続けると一気に命の危険に見舞われる類のものです。囚人のジレンマ的なものです。

なので私の場合、どういう場合には『撮影を捨てて登山に専念するのか』、『来た道を引き返して離脱するのか』など、撮影山行をあきらめる条件を予め決めておいて、いざそういう場面に出くわしたときに冷静に判断できるようにしています。

ある程度決まったルールとしては、『コースタイムを割った時点で撮影はやめる』だったり、『悪天候時は休憩地点に着くまで登山に専念する』だったり、『予定した登山時間の半分を使っても折り返し地点にたどり着かないと感じた時点で引き返す』だったり、『ヤマビルやハチの群集、崩落地帯を避けられない場合は退散する』だったりを設定しています。

登山は自己責任。誘惑に駆られやすい撮影山行では、さらに強く意識する必要があると考えています。

 

2.荷物は最小限に。レンズ、三脚は都度検討。

登山中はずっと自分の力で荷物を持って歩き続けるわけなので、荷物は少しでも軽いほうが良いです。数百gでも軽ければ、1日歩き続けた時の体へのダメージは大きく減ります。

写真を撮るのが目的なので、一眼レフないしはミラーレス一眼を持って、交換レンズもたくさん持って、備品を詰め込んで、三脚も抱えて撮影山行に臨みたいところですが、そこはなんとか我慢。目標とする撮影シーンを考え抜いて、必要なカメラ機材だけを持っていくようにしています。特にレンズは1個あたり500g~1kg超とかなりの重さなので、ズームレンズを中心に厳選します。また、三脚が要らなそうなときは、思い切って三脚も持たないこともあります。

荷物が軽ければ軽いほど、移動がスムーズになり、より多くのシャッターチャンスが手に入ります。レンズが少なければレンズ交換も減り、より多くの時間を移動ないし撮影にかけることができます。結果的に、一日の撮影山行で収められる『納得のいく写真』の数も増えると思っています。

とはいえ荷物を減らしすぎてもダメなので、うまいバランスの見極めが試されるところです。

 

3.最悪の場合に一晩越す準備をしておく。

登山では何が起こるか分かりません。もし滑落したり転倒したりして、救助が来るまで待機せざるを得なくなる場合を考えたら、少なくとも一晩越せるだけの準備をしておかないと話になりません。

夏山で低山の日帰り登山だとしても甘く見ず、レインウェアとヘッドライト、ツェルト、補助ロープ、エマージェンシーシートは必ず持ち、水と食料もプラスアルファを持っていきます。私の場合、カロリーが補給できて水分もとれるウィダーインゼリーを2個、予備で持っていくことが多いです。何もなければ使わないですが、「今日も無事だったな」ぐらいに思って次回の撮影山行にとっておきます。

服に関しても、天気予報が晴れだったりすると半袖一枚でいいんじゃないかと誘惑に駆られることはありますが、天気が崩れて大雨の中歩かざるを得なくなる場合や、山で一晩過ごす場合を考えると、プラス1枚を持っていって、天気が良かったら「一番上の上着は使う機会がなかったな」くらいで良いと思っています。

 

4.複数人の場合、有事の対応を考えておく。

単独での撮影山行にもそれ相応のリスクはありますが、複数人での撮影山行の場合、有事の際にどう動けるかを考えておくべきだと思います。まず、いざという時の意思決定が速やかにできるよう、メンバーの登山経験を確認したうえで、経験豊富な人をリーダーとしておくべきです。人数によってはサブリーダーも決めておくとよいです。

また、通常の登山に比べて一回りも二回りも重くなるのが撮影山行なので、超重量で行動不能になるメンバーが出る可能性は大いにあると思ったほうが良いです。そのため、いざというときに疲れたメンバーのザックをどう運ぶかを考えておくべきです。(動けないメンバーがでてきたらザック搬送ができるとよいかと思いますが、距離や状況によって難しい場合が多いので、何とも言えず。。。)

私の場合は単独登山と二人の登山がほとんどですが、とりわけ相方の登山経験が自分より浅い場合、いざというときに相方の荷物を全て背負う覚悟を持ったうえで、自分の荷物の重量を調整してパッキングするようにしています。

 

5.高難易度の登山では、必ず熟練者と臨む。

登山者が多くて危険の少ない山であれば単独でも可だと思いますが、一定以上の難易度の山では必ず熟練者(初心者ではない人)と同行して臨むようにしています。とまぁ、難易度の線引きをどうするかが肝な「言うは易く行うは難し」の典型ではありますが・・・

自分の中では、3,000m級の山、バリエーション登山、沢登り、クライミング、本格的な雪山あたりは危険度が高いと思っているので、絶対に一人では行かないようにしています。それ以外でも、嫌な予感がしたら臨機応変に考えます。

 

6.でも結局最後は筋トレが正義。

ここまで何度も軽量化の重要性を説きましたが、登山と撮影山行の違いはやっぱりザックの重量。結局最後は体力がモノを言うのが撮影山行だと思います。筋トレが正義です。

私の場合、日帰り登山でも10~15kgぐらいは平気で背負ってしまいます。その重量を背負ったうえで、撮影しながら登ったとしてもコースタイムを割らないぐらいのスピード感で歩ける体力と気力が必要だと思っていまして、その意味でも日ごろの体力維持(というか強化)は撮影山行の一番大切なピースだと思っています。

初心者が背負うザックの重量が5kg程度であることを考えると、途方もない重量に見えなくもないですが、毎日ちゃんと訓練して体力をつければ、あとは慣れるだけです。

 

 

まとめ

私は生粋の登山家というわけではないので、登頂は目的ではなく、人を動かす写真を撮ることが目的です。

この記事では主に日帰りの撮影山行で気を付けていることをまとめてみたわけですが、ここに書いていないことで今気になっていることで言うと、アマチュア無線の資格を取ってハンディ無線機を持ったほうがいいんじゃないかと思い悩んでいます。色々とコストはかかりますが、いざというときの効果は絶大そうです。今は検討中です。

限られた時間、限られたお金、そして限られた体力を、どこに投資するか。最高の一枚を求めて自分の命を暗に天秤にかけて、うまくリスクをコントロールし、全体のバランスをとり続けるスキルが必要な撮影山行は、ビジネスパーソンとして超重要なスキルそのものであるように感じるので、今後も切磋琢磨していきたいと思います。

 

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ブログ著者について

那須野 拓実(なすの たくみ)。たなぐら応援大使(福島県棚倉町)。トリプレッソを勝手に応援する人。ネイチャーフォト中心の多言語ブログを書いてます。本業はナレッジマネジメントとかデータ分析とかの何でも屋ですが、今は半年間の育児休業中。
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